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日々はゆったりと流れていった。
初夏を迎えた。クラスの友人が海かプールにいこうと誘ってきた。
きいろは、悲しそうに首を横に振った。
「泳げないんだ」
きいろにできないことがあるなんて、みんな驚いていた。
きいろは夏になっても長袖だった。
ある日、母がきいろの家から、はじめてきいろ以外の人を見たと興奮したように話していた。俺の家にきいろが来ることがあっても、俺がきいろの家に行くことはなかった。
きいろは家族のことを話したがらなかったし、俺も詮索するのはやめていた。
「多分お父様じゃないかしら?きいろくんを連れて車に乗っていったわ。会釈したら、愛想の良さそうに笑ってたわ」
しかし、その父親らしき目撃情報のあと、全く別の人物がきいろの父親だと挨拶にきたそうだ。
「全くきいろちゃんと似てなくてね、なんかやつれたおじさんだったわ」
どうやら、きいろを連れて、きいろ自身も父さんと呼んでいたそうだ。
きいろの家族を知りたい。きいろのことは全て知りたいと思いはじめていた。
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