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「おそらく、駿かな。一星は、少し遅れると言っていたから。息子が二人いてね、君たちより少し年齢が上なんだけども。仕事で遅れてて、すまないね。よろしく頼むよ」
みどりは頷く。タイミングよく、居間の扉が開き誰か帰ってきたようだ。
「ただいま」
黒髪の長身の細身の男が入ってきた。スーツをきて、ネクタイをきちっとしめている。たれ目が特徴の整ったイケメンだった。にこにこと笑みを浮かべている。どちらかと言えば志穂子さんに似ていた。
俺たちの姿をとらえると、悪びれたように頭を下げた。
「あ、どうも!遅くなってごめんなさい!赤江駿です。あ、一星まだなんだ。手洗ってスーツ脱いでくるから!高速で!」
そう言うと挨拶する間もなく、風のように去って行った。
「まぁ、ごめんなさいね。夫と似て自由きままなの。長男の駿よ。29歳だから、だいぶ二人と年離れてるわね。ポンコツだから、気負うことないわ、仲良くしてあげてね」
実の息子をぽんこつと言う志穂子さんにみんなで笑った。
スウェットとジャージという格好で現れた駿さんは、さっきまでのきちっと決めたスーツ姿の彼とは別人にみえた。
「ごめんね、家だとこの格好じゃなきゃ落ち着かないんだ。お客さんのまえでごめんね。仕事が仕事だから、家でくつろぎたいんだ」
そう言うと、駿さんは向かいの席についた。
そして、きいろの顔をみつめると、目を丸くして興奮したように話し出した。
「なに、この子!芸能人?父さんの弟子ってこんな可愛い女の子だったの?ハーフ?モデルさん?ねぇ、彼氏はいる?よかったら」
「駿、あなた本当に失礼ね。きいろくんは、男の子よ。綺麗な子だけど」
志穂子さんは、呆れたように言った。
「ええっ、男の子!?なんだ?!僕のとこで働く女の子よりずっと可愛いよ。」
きいろは、困ったように言った。
「きいろです。赤江先生の生徒です。こちらは、友人のみどりです。駿さんは仕事なにしてるんですか?」
きいろに紹介されて、頭を下げる。
「僕?僕ね、こう見えて医者なんだ。まだ卵みたいなものだけど。みどりくん、きいろくんか。なんかお笑いコンビみたいで笑えるね。それにしても、きいろくん可愛いなぁ」
彼はデレデレしながら言った。
まず、医者ということに驚きを隠せなかった。
「駿は、医者の風格ゼロにしかみえないな。試験をパスしたのは賄賂とか渡したんじゃないか?」
「父さん、失礼だな。お金を渡すくらいなら医者になんてならないよ。もっと違うことにお金をかけるね。それにしても、一星、遅いなぁ。さき食べちゃおうよ。あ、きいろくんを食べちゃおうかな」
そう言うおどけた駿さんに赤江先生たちは呆れたように注意していた。
会話からして、仲の良い家族のようだ。
俺はきいろがどう思っているのか少し不安だった。それに、駿さんは冗談できいろを口説いているの分からない。
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