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きいろは、ベッドに横たわる。簡単に、ポージングを指定される。バイトで、絵画モデルをすることがあるが、よく絵かきが興奮してしまうことがありそのまま、関係にもつれることもあった。
先生のデッサンしている音が響いた。
「きいろくん、聞いていいのか分からないけど、その傷は...?」
「全く気になさらなくていいですよ。父親に幼い頃やられたんです」
赤江はひどくショックを覚えた。
「...君はそのことをどう思っているの?」
「なるべくしてなったのだと思います。僕が汚いから。愛せなかったのでしょう。けれど、僕はそんな感情を向けてくれただけでこの傷を誇りに思えます。この傷を与えてくれた父親を憎めないからです」
「人間みんななにかしら、穢れをもっているさ。穢れを認められる人間はほんの僅かだ。愛だの正義だの信じなければ生きていけないね」
「僕は嫌いだと思う人はいません。けれど、これといって愛を感じることもありません。
僕は自分が1番嫌いで、1番好きなのだと思います。だから、だれも愛せない。人に色があるとしたら、僕は他人の色で自分を塗りつぶしたいのです。」
「君は...みどりくんがいるじゃないか。だから、あの画が描けたのだろう?君は、きちんと愛を知っている」
「みどりは、美しすぎて怖いんです。彼は僕を時折虚しくさせる。けれど、彼がいないと僕は生きていけません。それは愛なのでしょうか。それともただの依存でしかないのかも」
「先生、僕は寂しいですか?」
赤江先生は答えてはくれなかった。
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