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悠斗はきいろを腕に抱き込んでベッドに二人で寝転んだ。
「寂しくて、夜眠れないんだ。お願いだから、離れないで」
きいろはそう言った。素直に寂しいと言えるきいろを羨ましく思った。
「寝不足なの?眠剤とか処方してもらえよ」
悠斗は、きいろの柔らかい猫っ毛を指で弄んでいた。
「悠斗がそばで寝てくれたら大丈夫だよきっと。ねぇ、子守唄うたってよ」
茶色い目が覗き込む。
「なんで、そんなのしなきゃダメなんだよ」
悠斗は笑った。
「じゃあ、なにか話して。なんでもいいから」
「なんも話せないって。やめろよ」
くっつくきいろを少し引き離す。
「じゃ、俺が話してあげる。昔、むかし悠斗くんという坊やが川からながれてきました。見つけたおばあさんは、、、」
「桃にも入ってなくてそのままかよ。強い赤ん坊だな。それに、俺、桃太郎じゃないし」
悠斗は呆れたように笑った。
きいろも少し笑うと、悠斗の口に自らの口を合わせた。中でくちゅくちゅと優しく舌を吸う。
「寂しくて寂しくて、死んじゃいそうだ。悠斗、俺に色をちょうだい。君の綺麗な色を」
夜が更けて、眠りこける悠斗の横にいても、きいろは眠りにつくことはなかった。
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