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そういえば、まず大事なこと聞いてなかった
「まず、君をなんと呼べばいい?
悪魔は名前では呼びあわないっていうよね。
ハクは俺が名前をつけてあげたけど…、
できれば呼びやすい名前が欲しいな。」
会社で社長、係長、事務長...と呼ぶように、その人の位で区別をつけるらしい。
それでも、自分の名前を持ってる人もいるらしいが、ハクはそれなりの地位を持っていたから名前は必要なかったと聞いた。
いい加減、この女、とか彼女、とかで呼ぶのはちょっとね。
『わ、私は...
前の主人からは、アイミィと呼ばれていましたわ。
アイミィと呼んでも宜しくてよ。』
「...そう。アイミィ、俺は井東、って言います。とりあえずよろしくね。」
軽く自己紹介。
....。前の主人、っと声に出す時のアイミィの顔が気になる、かな。
『イ、トウ...』
俺の名前を確認するように声に出したアイミィ。
名前あったんだ、的な(どうでも良さそうな)顔してたハクが、俺の名前をアイミィが呟いた瞬間ブワッと殺気が溢れてきた。
...まぁいい。
「で、アイミィはなんでそこまでハクにこだわるのかな。
確かにハクは地位も顔も性格も優良物件だけど、もう俺のだからできれば話し合いですっぱり諦めてほしいんだけど?」
貼り付けた笑顔に優しい声。お願いしているように聞こえるかな。
『嫌ですわ!
...ハク、様?....との婚約は随分前に決まったことですわ!今更貴方のようなたかが人間にハク様を渡すわけなどないでしょう!
ハク様も目をお覚ましになって?
貴方はこんなところにいるべき存在ではないのです!
一刻も早くアチラの世界に戻りましょう?
あなたの帰りを待っている者も沢山いますわ。』
ハクがアッチの世界で有名であり、いなければいけなかった存在であるとはハクから聞いてわかっている。
それでも、俺を選んでくれたハクはコッチで一緒に暮らしてくれている。
もちろん俺があっちに行こうかとも思ったこともあったが、ハク自身がそれを拒んだ。
理由はあんまり詳しくは教えてくれなかったけど、ハクが嫌なら俺も嫌だ。
二人で納得してこちらの世界にいる。
のに、俺が泥棒猫のような扱いはなんなんだ。
そもそも婚約は破棄されたのだろう?
ムカついてなにか言い返そうと口を開いた瞬間に
ハクの待ったがかかる。
『ご主人様、私にアイミィを説得する時間をいただけませんか?
ご主人様のご命令なしで消したりなどは致しません。
必ずアイミィを説得してみせますので、どうか時間をください。』
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