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中学の頃、市内合同の陸上記録会があった。
毎年夏休みに行われるそれは、市内の中学の陸上部が一同に集まる大規模なもので、市内で一番大きな競技場で行われた。
通常の大会とは違い、競うというよりはお互いを高め合うのが目的である。
三年生だった自分達にとっては次の大会が引退試合となる。
その前の力試しといったところだろうか。
その記録会に何故か市外の高校が数校、参加していてた。
初めての事ではあったが、理由も高校生の存在も特に気にはならなかった。
トラックでは200m競技が始まっている。
長距離種目よりも短時間で勝負の決する短距離走は、その分歓声が凝縮され競技場がわっと湧く。
そのトラックの更に内側、いわゆるフィールドで高跳びは行われる。
そこから自校の選手を見つけては応援し、いない時は他の高跳び選手の跳躍を眺める。
中学の高跳びの選手は人数が少なく、あっという間に終わってしまった。
自分は去年関東大会に出場したのをピークに記録は伸び悩んでいた。
この日もまぁまぁといった感じで、特に喜びや満足感は得られなかった。
高跳びも中学で辞めるつもりでいた。
元々短距離をやっていた。
陸上部に入ったきっかけも、みんなより足が速かったから。
ただそれだけ。
背も高い方だったし、器用な方であったし、運動は得意だった。
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