アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
山代と大和(後編)
-
(リクエスト、続きです……どちらが攻めで、どちらが受けか?まだ言ってます…すみません。そして、えらく長くなりました…)
(やや?エロ有りです)
シャシャシャ…………………
長く、しなやかな指の動き。
ヤクザでこの教養は、勿体ない。
山代は、部屋に備えられたカウンターを使い、お抹茶を立てる。
「ホンマ、お前優等生やな………………」
「運動が出来る時間は限られてましたので、室内で学べる事色々やりましたからね……………たまに飲みたくなるんです。ついさっきも、弓永と一息入れたばかりで……………若頭へ立てられるなら、地区長室に置いといて良かった」
自分の脇から興味津々に覗く大和に、山代の顔は綻ぶ。
片腕で感じる、大和の温もり。
肌に当たる吐息が、愛しさで胸踊る。
大和に飲ませようと、自室へ簡易の御道具一式を取りに行った山代の想い。
「えーこれなら、また立ててや」
「はい、是非に……………さ、美味しい和菓子もありますから、ゆっくり休憩して下さい」
山代組若頭弓永と一服した後のこれは、お茶菓子以上に甘い香り。
至福の瞬間である。
「ぅおおっ!和菓子、うまそーっ♪」
和菓子に喜ぶ大和が、山代の心を一層と擽る。
「クス…………ええ、ここのは格別ですよ。私が好きなんで、弓永が今日買ってくれてました」
「山代組、スゲーな!」
スゲーです。
皆、上品ではなかろうか。
大和は、高級感漂う和紙の箱を開け、繊細で柔らかな色合いの和菓子に見とれた。
そして、ふと思う。
先日、マンションに来た花崎と、高橋の卵焼きを取り合ったって言ったら、苦笑されそうだ。
「ん~♪…………んまぁ♡」
ただ、今はそれもどこ吹く風。
お抹茶の渋味と和菓子のベストマッチに、ほっぺたも落ちる。
ソファに座り、山代の目の前で和菓子を頬張る、大和の幸せそうな笑顔。
時に鋭く、時に強く。
若頭である大和は、一度スイッチが入れば17歳とは思えない力を晒す。
「若頭………………」
自分は、そんな大和に惚れ込んだ。
山代の瞳には、いつしか大和以外は映らなくなっていた。
叶わぬ恋。
わかっているのに、捨てられない。
知れば知る程、好きになる。
たまに見せるこんな幼さも嫌いじゃない。
幻滅するどころか、どんどん好きになる自分がいて、締め付けられる苦しさに息をする事さえ忘れそうだ。
「山代……………幸せやな」
「え…………………」
「俺らがやってる事はキツいけど、たまにこうやって普通の体験が出来るなんて、ホンマに贅沢で幸せやな」
幸せやな。
これを贅沢だと言う大和の感覚。
それは、嵩原や安道、高橋のような大人が育てた事が大きいだろう。
でも、そこを素直に受け入れてきた、大和の持って生まれた性格もあると思う。
「はい、幸せです」
軽く頷く山代の口元も、自然と緩む。
きっと、自分はこの方から離れられない。
カチャ…………………
「若頭………………そろそろ続きやりますか?」
一頻り話が盛り上がり、野郎二人ながら楽しいお茶の時間を過ごした山代は、カウンターでお茶の御道具を片付けながら振り返る。
かれこれ、1時間は潰したか。
いい加減進めないと、高橋に大目玉。
後を任された責任から、山代の気持ちも少し逸る。
「……………………若頭?」
シーン…………………
返事が、ない。
あれ…………………。
不思議に思った山代が振り返ると、ソファへ横たわり、大和ご就寝。
「は…………………」
瞬殺か。
「いつの間に……………」
学校と支部、毎日往復の生活。
日曜こそ休みを取るが、大和の平日は遅くまで多忙を極め、見た目以上に疲れを伴う。
「………………無理もないか」
山代は静かに寝息をたてる大和へ歩みより、ソファの背にかけられたブランケットを取った。
多分、高橋が大和の為に置いたものだ。
質の良い肌触りに、高橋の大和への愛情を見る。
最高の右腕。
注がれる愛も最高峰。
だけど…………………。
「私だって、愛してます」
ソファの前に膝まづき、山代は囁く。
長い睫毛と高い鼻筋。
あの嵩原の遺伝子を受け継いだ、美しい顔立ち。
これを自分のものに出来るなら、全てを擲っても構わない。
それくらい、大切な人。
ブランケットを握る手が、スルリと抜け落ち、大和の胸元へと滑る。
手のひらに伝わる、大和の呼吸。
「はぁ…………………」
山代は小さく息を吐き出し、その首筋へ顔を埋めた。
「貴方が、欲しい」
20代も後半に差し掛かる年齢。
街を歩けば通行人も振り向く男前は、余所見も出来ぬほどの恋に堕ちている。
淋しさと切なさと。
時折押し寄せる、心と身体の限界。
「どうしたら……………」
手に入るのか。
震える指先が、ぷっくりと輝く唇をなぞり、山代の喉を鳴らす。
自分に気を許した、ズルい無防備さ。
「ん………………山代……」
「若……………………」
ハッとする山代の手を掴み、大和はうっすら目を開ける。
「すみません、起こし…………」
「アホ………………切実過ぎ」
「あ………………っ」
苦笑いと共に、引っ張られる身体。
「わ…………若頭……………」
あっという間に、山代は大和を見下ろすように抱き寄せられた。
「気持ち、応えてやれへんで」
応えてやれへん。
見上げる大和の優しくも辛そうな眼差しが、山代の身体を締め付ける。
本当に残酷なのは、自分。
諦められない想いが、主を苦しめてるってわかっているのに……………。
「それでも、愛してます……………貴方がいい」
「山……………っん…ぁ」
ゆっくり近付く唇に、想いの丈を詰め込んで。
絡まる舌が、一気に全身を熱くする。
好き。
たっぷりの蜜を味わい、山代はとびきりのキスをした。
「はぁ…………好きです………若頭…っ」
唇の隙間から漏れる色気。
無意識に出される山代の色っぽさが、大和の視界を奪う。
これを突き放せたら、苦労しない。
「も…………ふっ……ぁ…………あかん…俺、やっぱりお前に弱い…………ぁ…んっ」
大和は観念した様子で、山代の舌を受け入れた。
口の隅々まで愛される抱擁。
重なる熱気のいやらしさに、下半身もにわかに反応を示す。
「下……………当たってます……………」
山代は腕を下げ、大和のそれをパンツの上から優しく撫で回した。
「あっ………………ちょ……ぁっ」
「ずっと………弱いままでいて下さい……………私が、そこへ付け込んで差し上げますから」
「さっ…………最低か…………っんん」
「私も男です………………惚れた者を愛でられるなら、何でもしたくなります」
自分の愛撫に、感じる大和の苦悶の表情。
ゾクゾクする、快感。
これを他の男が見ているのかと思うと、山代の欲望は益々激しさを増す。
「あぁ……………も………ズルい方………」
「や………ま…………っあ…ぁ……はっ」
渡したくない。
火照る大和の耳朶を甘噛みし、山代はパンツのファスナーを静かに下げた。
触れる指に下着の湿っぽさが、これから攻め入る領域を想像させる。
大和も、男。
濡れた先を押さえれば、ビクビクと分かりやすく動いてる。
「愛してます……………」
「山代…………ん………っ」
暖かい日の昼下がり。
誰にも言えない情事が、二人の身体をより密着させた。
誰にも言えない。
そう、誰にも………………。
「お疲れ様でした、高橋さん。後は私が片付けときますんで、どうか若の所へ…………」
「ああ、悪いな………………ほな、後は頼むわ」
支部の長い廊下。
受け持ちの地区へ行っていた高橋が、支部へ戻る。
山代の想いが募れば、この男の想いも遥かに強い。
地区の部下に持ち帰った書類を任せ、廊下を進む足も自ずと速くなる。
大和を一人残した仕方なさ。
出来るなら、自分が書類の手伝いをしたかった。
トントン…………………
「若、今戻りました……………入りますよ」
高橋は足早に支部長室まで辿り着き、ノックと共にドアを開ける。
ガチャ……………………
「お帰りなさいませ、高橋さん」
「山代…………………」
部屋へ顔を覗かせた瞬間、山代が戸口で頭を下げていた。
準備がいい。
まるで、自分が帰って来たのが、わかってたかのよう。
「若頭は、1時間ほど休憩されました。書類の方はもう少しかかりそうです……………では、私はこれで」
「そうか……………すまんかったな」
にこやかに報告をする山代は、高橋と擦れ違い様に再び会釈をして、部屋を後にする。
それを見つめながら、高橋は僅かに視線を尖らせた。
「高橋、お疲れ……………」
「今……………ネクタイを直してましたね」
「へ……………………」
机から高橋へ声をかけた大和は、その後ろ姿にギクッと肩を揺らした。
「書類、増やしましょうか」
「えっ………………!!」
結局、二人が一線を越えたのかは、神のみぞ知る。
いつか過ごした太陽の下。
穏やかな日差しを浴び、小さな情事は終わりを遂げた。
(皆様、明けましておめでとうございます。年明け、一発目の『+』でした。二人は一線を越えたのか……高橋の目は誤魔化せない。含みを持たせた終わりで失礼致しました_(._.)_そんな終わりが頭に浮かんで…二人しかない微妙な関係を残しました。これからは、そこに桜井も加わります。今年はカップル増やすぞー!どうか、今年も宜しくお願い致します!AOI 様、リクエストありがとうございました(*- -)(*_ _))
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
117 / 241