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ぶつかった人
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「あっ、すいません」
「チッ」
廊下でぶつかった人は舌打ちを打って早歩きで去って行った。
「あ、あれ安達(あだち)くんだ!」
理央はキラキラした顔で話しかけてくる。安達・・・。名前も顔も知っているが、話したことはない。なぜ名前と顔を知っているかというと、理央がよく話すから、というのと、こうやってよくぶつかることが多いからだ。
「やっぱりイケメンって見てるだけで元気沸いてくるよねっ 奏太(そうた)って名前も爽やかだし!」
理央はかなりミーハーだ。イケメンがいたらキャーキャーと騒ぐ。
それはテレビの俳優でも、スポーツ選手でも変わらない。
俺には理解できないことだ。俺はミーハーじゃないからな!
「安達って確かサッカー部のキャプテンだっけ」
「うん!一回生で試合見たけどシュートすごく早くてびっくりしたよ!
後女子がよく安達くん含めてサッカー部に差し入れしてるのも見たことあるよ!
・・・安達くんは誰のも受け取らずに無視してたけどね」
差し入れを無視するのか・・・。俺ならラッキーって思って喜んで受け取るけどな。
だって気持ちが嬉しいから。安達は嬉しくないのかもな。
「まあちょっと自己中らしいけどそれを補うレベルでかっこいいよね」
男の俺でもイケメンなのは認めざるおえない。
世の中顔は大事だからな。性格も当然大事だけど最初の印象は顔だとよく聞くし。
可もなく不可もない顔をしている俺には辛い現実だ。
階段を降りようとすると、階段の近くにある教室から女子の甲高い声が聞こえる。
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