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プロローグ12
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俺たちが教室を出ると、金城先輩がいた。
ぺこり、とお辞儀をすると、金城先輩は無表情でお辞儀をした。
礼儀正しい人なんだな、とちょっと思った。
あの例の草むらに行ったが、猫はいなかった。
「あ・・・そっか。猫拾ったの12月だったもんね」
今は4月だ。いるわけがない。あの猫は見てるだけでちょっと癒しだったから少し悲しい。
理央は落胆していた。
「そういえばさ、草むらで思い出したんだけど」
「んー?」
理央はすぐにニコニコとして俺を見る。切り替えが早い。
「猫がここにで初めてから菓子パン置かれるようになったよなーって」
「ああ、そーだね!」
菓子パンがなぜか猫のそばに置いてあるということが何度かあった。
猫に食べさせるわけにはいかないので、俺が基本消費していた。
そういえば俺が一番好きなクロワッサン、結構置かれてたな。
「でもさ・・・翔ちゃん遠慮なく食べ始めたときはびびったよ。変なもの入ってるかもしれないのにって」
「菓子パン置いてくれる人に変な人はいないだろ」
「う、うん・・・」
好きだし、何より昼代が浮くから俺は遠慮なくいただいていた。
誰が置いているのかはわからないがお礼はしたい。
「でもここ知ってる人ってことになるよね・・・誰なんだろう。ほとんど知ってる人いないと思うんだけど、ここ」
まあ確かに。
なんで知っているのかわからない。でも、菓子パンもらえるならどうでもいいかな。
そう思っていると呼び鈴が鳴った。
「んじゃ帰るか」
「だね」
遊ぶのはやめて俺は帰ることにした。
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