アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
2章ー13
-
「そういえば」
急に話しかけられるとそれはそれで動揺するし緊張もする。
俺は思わず身構えた。
「今回はまあまあよかったじゃないか。次もがんばれ、中村」
その表情は、ちょっと嬉しそうな笑い方だった。
金城先輩のようなふわっとした笑い方でも、泉のような小悪魔みたいな笑い方でも、安達のような生意気でむかつく笑い方でもない。
こうやって見るとみんな違うんだよな。
俺は、三条先生の笑顔を見て、褒められて、少しうれしく思った。
「ありがとうございます」
素直に、そういうことができた。
すると、また電子音が鳴る。
今はノートで手が塞がっているので後で見るとしよう。
俺はまず先生とノートを運ぶ。
・・・俺を見てくれている存在がいるのって、ありがたいと思うんだ。
目立たないように、でも、たまには目立ちたい。見てほしい。
いろんな欲、矛盾しているようで矛盾していない欲。
そんな部分を突き付けられた感覚がしてちょっと心臓が痛い気がした。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
57 / 154