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3章ー8
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「せ、先輩?」
金城先輩はしばらく動かなかったが、周りがざわざわし始めたのに気が付いて俺から離れた。
「ごめんね・・・」
先輩は悲しそうな顔をしていた。
俺は先輩の表情を見て、なんでこんな顔をしているのか分からなかった。
なんで悲しい顔をしているのだろうか。
支えることがそんなに苦しかったのだろうか・・・。
「え、えっと・・・」
展示会の外に出る。
俺と金城先輩との間に少し気まずい雰囲気が漂う。
「よ、よかった?今日来て」
「え、ええ。よかったです」
いつもなら、もう少し色々言えるのに。
作品を見て、いろんな感想も持ったし、新鮮な経験もできたし。
なのに、たった一言しか言えなかった。
「きょ、今日はありがとう・・・えっと、じゃあまた明日」
「はい・・・」
先輩と気まずいまま先輩は走って行ってしまう。
何か気の利くことのいえるやつなら、よかったのに。
そんなこともできない自分が歯がゆかった。
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