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3章ー12
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「あ、安達・・・?」
安達だけじゃない。金城先輩も、泉もいる。
安達は女子を睨みつけながら、金城先輩は震えながら、泉はいつも通りに見えるけど・・・表情は少し怒っている・・・ように見えた。
安達はサッカー部もあるだろうし、泉はもう帰宅してる時間だし、金城先輩は勉強している時間なのに・・・なんでここに来たんだろう。すごく、うれしいけれど。
「何やってるのー?」
泉がにっこりと女子を見る。すぐに真顔になったけど。
「えっと、一人の子を大勢で攻めるのは間違ってる」
珍しくきりっとした顔で女子を見る金城先輩。
「さすがにやりすぎじゃねぇの」
面倒くさそうに女子を見る安達。それでも俺を気遣うようにちらちらと見ている。
俺を・・・かばってくれている。
小説の世界だけど・・・それでも嬉しくて涙が出そうだった。
「おい、なんでこんなに人がいるんだ」
三条先生が騒ぎを聞きつけたのか中庭に来た。
「え、えっと・・・」
さすがに三条先生が現れるのは予想外だったのだろう。
女子は口をつぐむ。
そして、女子は皆逃げていった。
「どうしたんだ、中村。泣いてる」
どうやら涙が出そう、ではなく出てしまった、らしい。
怖いと思ってた時には涙なんて出る気がしなかった。
でも、嬉しくて。俺のことを見てくれてるって思っただけで、嬉しくて。
だから俺は泣いてるんだ。
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