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3章ー13
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「大丈夫、大丈夫です」
涙を流しながら先生に笑いかけたつもり。
先生はそれを見て少し安堵したようだ。
「中村」
先生は頭を優しくなでる。
三条先生の手は大きくて力強い手だと思った。
「もし不安なことがあれば先生にいいなさい。いいか」
「分かりました・・・」
ピロンと音が鳴る。
ああ、好感度に関わるイベントだったわけか。
よく考えたらそれしかありえないよな・・・これ。
安達はまたなといいながらどこかに行く。サッカー部だろう。
金城先輩は勉強は一応送ろうか、と言ってくれたが、俺は遠慮した。
泉は戻ってきて、すごく心配してくれた。
三条先生は仕事だからかすぐにどこかに行った。
ちょっとだけ、この状況を喜ばしく思っていた。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「ってことがあったんだ」
泣きはらした目を心配された理央にちゃんとさっきの説明をする。
最近は同じ家にいるにも関わらず、なぜかチャットで会話ばっかりしていたから、理央の顔を見るのは久々だ。
「へぇ、そっか!」
理央はにこにことしながらファッション雑誌を見る。・・・女性向けの。
それを閉じて、俺を見た理央の顔はいつも知っている顔と何も変わらない。
「それにしても大分慣れたねー。最初は男相手にやだやだ言ってたのに」
「だってやらなきゃループだぞ。いやだ」
本当はそんなこと、どうでもいいことに気が付いたけど。理央にそれを言うのは少し照れくさい。
「はいはい。あ、夕飯は後で食べるから、先食べときなよ。おなか減ってるでしょ」
俺のおなかがぐーとなった。
ちょっとだけ恥ずかしくて顔が熱くなる。
「顔赤いよっ」
「いいだろ。ったく。じゃあな。ちゃんと食え」
俺は理央の部屋のドアを開けてリビングに向かう。
いつものように母がご飯を用意しているはずだ。
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