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4章ー4
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「ごめ、じゃなくて・・・。やっぱり・・・無理だよね。隠すの」
俺は覚悟を決めたんだ。
大丈夫、大丈夫!後で落ち込むかもしれないけど、その場では取り繕う自信はある。
「ぼく・・・中村さんのこと好きかもしれない」
だから何でも言ってくれてもいい。
・・・あれ?
「えっと」
「あの・・・展示会に行ったとき・・・中村さんに触って・・・ドキドキしたんだ」
まるでスイカのように顔を真っ赤にする金城先輩。
俺は拍子抜けした。
嫌われてたんじゃないのか!!
「だから、つい意識しちゃって・・・!!」
「そ、そうだったんですね・・・」
前の俺なら、告白だったり、恋愛のシーンになったらいやで何も言えなかったと思う。
でも、今はそこまで嫌じゃない。
慣れって恐ろしいな。
「だから、考えておいてくれませんか?」
俺の手をぎゅっと握って、俺をじっと見つめる。
真剣な顔を見て、俺は、
「分かりました」
と言った。
そのとき、電子音がした。
後で見ると好感度はちょっとあがったらしい。
「も、もし嫌じゃないならこれからも勉強会一緒にしたい・・・。中村さんいてくれたらもっと頑張れる気がする」
「俺は勉強会ありがたいしいいですよ」
金城先輩は今までにないくらいうれしそうな顔をしていた。
これで、よかったのかは分からないけど、とりあえず金城先輩が嬉しそうならまあいいや。
ガタッ
図書館のドアから音がした。誰か来たのかと思ったが、誰も来ない。
図書館は廊下の一番端っこだから来ようと思わなければいけない場所なんだけど。
顔は一瞬だけだったので分からなかった。
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