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4限目が始まる前の休み時間。
航平『次は英語かー…美姫斗はよく、ぼうっとしてるけど次の時間は気をつけた方がいいぞ?』
厄介そうに話す航平。
美姫斗『怖いの?』
怖い人、苦手だな…。
航平『うーん、めんどくさいかな。
聞いてないってバレたら、当てられて答えられなかったらネチネチうるさいからな。』
美姫斗『答えられたらいいの? 』
航平『まぁ、そういうことだな。』
美姫斗『ふーん。』
なんだ、ならいいや。
それから少しだけ話したあと、席に戻った。
間もなくして、神経質そうな先生が入ってきて授業を始める。
先生がなにか話しているのを聞かずに、お昼のことを考えてしまう。
お昼は特待校舎で皆と食べるのかな?
それともバラバラかなー。
確認のためにバレないようにスマホを使い、グループで聞いてみる。
すると航平以外の二人が返してくれた。
航平の方をチラと見ると、首を捻りながらも真面目に聞いていた。
よほどこの先生に目を付けられるのが嫌なのだろう。
それに対して返事が早かったふたり。
…こいつら、授業してないな。
するとみんなで食べると返ってきたので、返信してぼうっとした。
少し前までは友達みたいに話してくれる人などいなかった。
だからグループとか、連絡の取り合いとか新鮮で少しウキウキした。
この楽しい日々はどれくらい続くのかな。
明日、明後日?
1週間…1ヶ月とか??
美姫斗にはずっと何時までも、という思考が元々備わっていないらしい。
だって嬉しいと思った事が続いた事なんてないから。
そうやって先のことを考えていると…
先生『安西。』
…あ、俺か。
美姫斗『はい。』
返事をすると、指示をしてきた。
先生『この英文を訳せ。』
先生が言ってきたところを見ると、
到底習ったとは思えない様な難しい文体で、新出単語がごろごろとあった。
うっわぁ、何この意地悪…。
クラスメイトがこちらを伺っているのがわかる。
まぁ、生憎どんな問題を出されても勉強は出来るほうなので答えられるけど。
美姫斗『えっと、〜〜〜〜〜〜〜…です。』
だと思う、という曖昧な自信ではなくしっかりと断言をしてやった。
教室内はシーンとしたまんま。
先生『?!!!…合ってる。
…習ってないし、教えてないのに…(ボソッ』
周りの生徒は歓声をあげた。
先生は少し不服そうにしながらも、俺に絡んでくることなく先へ進んだ。
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