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「熱いな...」
少年の額に手を当てて、彼はつぶやいた
今まで具合が悪くなったことがないわけではないけれどこんなに高熱が出ることはなかった
部屋にいった時、自分が帰ってきたのに出迎えないなんてこともなかった
死んだように横になっている少年を見たとき正直、ギョッとした
今は自分のベットで寝かせているけれど、このままでいいのか悩む
だけど病院なんて行かせられるはずもなくて焦りだけが襲ってくる
首元を触ると熱のせいでぐっしょりと汗をかいて濡れていた
「着替えさせないと...」
独り言のようにつぶやいてぐったりとした少年の体を抱きおこし、服を脱がせた
彼にもたれかかるようにして目を覚まさない少年の体をタオルで拭いていく
その白くて細い体に熱のせいでいくつもの痣が浮かび上がっていた
自分がつけてきた傷跡
少年が彼を受けて入れてきた証
その一つ一つを慈しむように唇を這わせと少年は夢のはざまで小さく声をもらした
「ん....」
新しい服に着替えさせてそれからまた傷の消毒を始めた
二の腕の包帯を外すとジクジクとした傷跡がまだ大きく口を開けているように見えて、ひどく痛々しかった
まだふさがりそうもない傷口に消毒をして新しいく包帯を巻きなおしながら、手当をするときの少年の嬉しそうな顔が浮かぶ
布団をめくって今度は足の火傷を見てみると、巻いてある包帯の上からでもなんだかベタベタしていた
剥がす時に皮膚に張り付いて、少年は寝ていたはずなのに体を捩って痛みから逃れようとした
赤く熱をもち、水膨れのようになった火傷にできる限りの手当を施す
この熱は、これが原因かもしれないな....
ゆっくりまたベットに寝かせて様子を見ることにした
吐く息が熱く、時々、うなされるように顔を歪める少年の髪を撫でて手を握ってあげると、ふと笑ったように見えた
「ユウ...すぐ良くなるからね」
そういって彼は少年の瞼にキスをした
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