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連れて来られたのは高級マンションの一室
廊下はまるでホテルか何かのようにきれいに清掃が行き届いていて頑丈そうなセキュリティーのオートロックのマンション
自分の家と比べて羨ましいくらいの高級感
「どうぞ?」
促されてその部屋に足を踏み入れる
きれいに整頓された部屋
余計なものが何もない...そんな風に感じる部屋だった
部屋を見渡しているのも彼は気にせずにスタスタと部屋の奥にいってしまう
椎名はその後を小走りに追いかけた
薄暗い部屋にベットが一つ、目を凝らしてよく見てみると布団に大人一人分より、少し小さい膨らみが見えた
彼はベットのそばにしゃがみ込んで何やら話しかけているように見えた
ベットサイドに置かれた間接照明の光がぼんやりと彼の横顔を照らしていた
その顔は見たこともないような穏やかな顔だった
「起きれる?会わせたい人がいるんだ」
彼はベットに寝ている誰かに囁く
「ほら....先生だよ」
そういって椎名に見せるように彼はその誰かを抱き起した
「.....!」
その姿を見て椎名は絶句した
彼が大事そうに抱きかかえたものは...幼くあどけない...少年
「なッ...これは...」
言葉を失う椎名に向かって彼は少年に顔を摺り寄せて笑った
「先生...俺の宝物...かわいいでしょ?」
彼にもたれるようにしてその少年はぼんやりと椎名を見つめていた
抱き寄せながら、少年の髪に毛を梳き、愛おしむように額にキスをする
「これは..一体..どうゆうこと?!」
あまりにも異様な光景に椎名は理解がついていけなかった
腕の中の少年は、焦点定まら、口も半開きで、ぐったりとしていて、今にも死にそうなくらい青かった
「でね?先生!ユウのケガ見てあげてほしいんだ」
椎名を手招きする彼は、この状況には似合わないほどニコニコと笑顔をみせて、それがひどく不気味だった
そう感じてしまったことを悟られないように平常心を装い二人に近づいてその少年に触れた
布団をめくり、彼のいう「ケガ」がどんなものなのか確認しながら、椎名はまたしても言葉を失ってしまった
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