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眠れるはずもなく、彼は寝室を出ていく
ベットには静かに眠る少年が1人
途中で目が覚めて不安になると困るからぬいぐるみもそばに置いておいた
あれだけイッたのだからそんな心配いらないかもしれないが...
真っ暗のリビング、キッチンまで手探りで移動しライトをつける
暖色の明かりが暗闇に広がって手元を照らした
「みつるくん?」
水でも飲もうと蛇口に手をかけた時、ギクリとした
暗闇の先に目を凝らすと椎名がボゥと立っている
「ごめっ...起こした?」
「いや、大丈夫、眠れないの?」
ほんの少し眩しそうにしながら椎名は近づいてくる
「ユウくんは?」
「ん...寝てる」
彼は無理矢理寝かしつけたようなものだからなんとなく椎名と目を合わせる事ができなかった
コップに水を汲むとそれを一気に飲み干し一息ついた
「珍しいね、こんな夜中に起きてくるなんて」
ダイニングテーブルのイスを引いて椎名は腰をかけた
机の上は綺麗に片付けられていてシンクの水切りかごには洗われた食器が無造作に重なっている
「先生、片付けてくれてありがとう」
彼は軽くお礼を言って冷蔵庫の扉をあけながら椎名に声をかけた
「先生、たまには飲まない?」
「え?」
椎名が返事をする間も無く彼は冷蔵庫から缶ビールを取り出しプルタブを開けた
プシュッと炭酸の抜ける音がして手慣れたように2つのグラスに注いでいく
「珍しいね、お酒なんて」
「まぁ...今日は特別」
はにかむようにしながら彼はグラスを両手にもつと椎名の座るダイニングテーブルまでやってきた
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