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「行っちゃった...部屋戻ろうか」
そう言って手を引くと少年はニコニコしながら彼の後をついてくる
足取りは軽くなんだか楽しそうだった
先生はユウに何を言ったんだろう...
気になったけれど、聞いても答えは返ってこないだろう
「あ...あぅー」
「なぁに?」
ニコニコしながら彼に何かを訴えるけれどそれが言葉として出ることはなかった
「はぁ...」
ため息をついてリビングに戻ると彼はソファにもたれるようにして床に座り込んだ
その上に少年は跨るように乗って彼の上半身に巻きついて顔を胸に埋めていく
「どうしよっか、なにする?...なにしたい?」
何をしてあげればいいのか、何を望んでいるのか全くわからない
いつもなら...今まではベットの上で一日中過ごして汗だくになってひたすら抱き合えばあっという間に終わってしまう
それがどれだけ少年にとって体力的にも精神的にも苦痛を強いていようと関係なかった
だけどそれではもういけないのだ
気を取り直して彼は少年に笑いかける
「ユウは何したい?ぬいぐるみ?遊ぼうか」
床に転がったぬいぐるみを指さすと少年は彼の身体から飛び降りてそれを取りにいった
まるでおもちゃを投げられた犬が取ってくるみたいにして、ヒョコヒョコと歩きながら2ひきのぬいぐるみを抱えて彼のもとに戻ってきた
彼の目の前に2匹を並べて座り込む
上目づかいにじっと彼を見上げて遊んでほしいと訴えているように見えた
「どうやって遊べばいいの?」
先生はいつもどうやって遊んであげているんだろう...ちゃんと聞いておけば良かった
すると少年は彼の手の中に犬のぬいぐるみを入れて握らせる
「うー...ぁ...」
まるでこうやるんだよと教えているみたいだった
「これ?これでいいの?」
目の前でぎこちなくそれを動かしてみると少年は目をキラキラさせて喜んだ
「わ...わんわん?」
「あはっ...あー」
適当に鳴き声も真似してみると今度は声を出して笑ってぬいぐるみを追っていく
なんだ...なんとなくだけど言いたいことが分かった
慣れない手つきで少年にぬいぐるみを見せながらホッと胸を撫で下ろした
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