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もうずっと”怖い”も”痛い”もなかった
あるのは”嬉しい”と”楽しい”ばかりで毎日は”優しい”に変わっていた
だから忘れていた
簡単に忘れしまっていた
”痛い”は死にたくなるほど辛いことで
”怖い”は泣きたくなるほど苦しいことだったことを...
頭が重くて、体が痛くて、腕だけでは自分を支えておけなかった
ぐにゃりと腕が崩れるたびに首輪を引かれて起こされる
「ちゃんとやれよ」
まだ完全には慣らせれていないにも関わらず押し当てられた彼自身は少年の身体を一気に貫いた
「ぎゃぁぁぁ!!」
気が遠くなるほどの痛みに少年はたまらず大声を上げてしまう
無意識に支えるところを探すように少年の手が床を掻きむしる
「あぁっ!!いっ...ぎっ...あはぁっ!!」
後ろから責め立てられパンッパンッと肉がぶつかる音が激しさを増していく
なんだかよく分からない
分かるのは...彼がひどく怒っているということだけだった
「きっつ...」
彼は強すぎるほどの締め付けにほんの少し顔を歪めて吐息を漏らした
少年の細い腰を爪が食い込むほど掴み、彼を受け止める小さな背中を見下ろしながら何度も何度も自身を打ち付けた
繋がった部分から赤く滲んだ雫が少年の太ももを伝っていっても彼は動きを弱めることなくむしろもっと激しく自分を押し込んでいった
「ぁ...ぁ...」
頭をガクガク揺らしながら崩れるように床に頬をつけた少年は白目をむいて意識を失いかけていた
彼は後ろから首輪を力いっぱい引いて少年の身体を仰け反らせる
「がっ...はぁ...ゲホッ、ゲホッ」
「なに飛んでんだよ、戻ってこい」
気を失うことすら許されない
正気のまま彼の怒りをすべて零すことなく受け止めることが少年への罰だった
「うぁ...ぁんっ...いっ...ぃ...」
無理やり引き戻された意識の中で少年は早く彼が吐き出してしまうことを願っていた
そうすれば終わるはずなのだ
いつものようにまた彼は優しく笑い、その手で髪を撫でてその腕の中で自分を抱きしめてくれるはずなのだ
”ごめんね?痛かった?
もう大丈夫だよ?...もうしないから”
そして目を細めて言ってくれるはずなのだ
”ユウ...好きだよ”
それがあれば何をされてもかまわなかった
今までも...これからも...
しかし膨張した彼のモノが少年の中でその怒りを吐き出してもそれは鎮まることはなかった
自分自身を引き抜いた彼は倒れこんだ少年を掴んで寝室から引きずっていく
「ぁ...ぅ...」
瞼が腫れあがり狭くなった視界から大好きなものが遠ざかっていく
彼と一緒に寝るはずだったベット
リビングに転がったぬいぐるみ
みんなでご飯を食べるテーブル
そして彼に引きずられて行きついた場所はあの部屋
彼はまるでゴミでも扱うように少年をその部屋に投げ入れた
自分では起き上がることもできない少年は床に転がりながらその部屋の扉が閉められる音を聞いた
そして金属の鍵が締まる音と同時に少年の意識はプツリと途切れて消えていった
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