アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
勘弁してくれ
-
「はっ、や、だ……も、」
どれくらい経ったのだろうか。
いや、あんまり経っていないかもしれないけれど。
体感としてはだいぶ経った気がする。
「もう少し」
二ノ宮君はまだ僕の中の手を止めてくれない。
時々、苦手だとバレた鎖骨を触られて、本当にどうにもできない。
「怪我させたくないんだよ」
「んっ、ん、でも…」
「遥」
「っ!?、…っやぁ」
何を思ったのか、いや、黙らせるためなのか。
黙った二ノ宮君が奥を擦る。
「お、く…、だめっ、から」
できれば無言はやめてほしい。
もう無理だと、二ノ宮君の首に腕を回す。
「二ノ宮、く、…もう…」
「鈴原…」
「おねが、…」
「……はぁ」
「っぁ、」
指を抜いてため息をついた二ノ宮君に、ビクリと体が震えた。
鬱陶しいとか、思われたか…。
ぽふ、と気づけば優しく体を倒されていて、僕の顔の横に両手を置いた二ノ宮君が上に覆いかぶさった。
「本当、あんま煽んな。壊しそうになるから」
煽ったつもりなんてない。
ただ、自分がもうもてなかっただけ、なんだけど。
上にある二ノ宮君の顔を見て、息を飲んだ。
ーなんて顔、してるの…。
少しだけ眉を寄せた、二ノ宮君の顔はぐっと何かに堪えているようで。
「僕は、大丈夫だから…」
それに、
「二ノ宮君なら、壊されても、いいんだ」
大丈夫だと伝わるように笑ってそう言った。
「……」
「、二ノ宮君?…………ま、真人くっ!?」
何も言わない二ノ宮君に不安になって、名前を呼ぶと、強く口を塞がれた。
「んっ、ふっ、……んんっ」
そして勢いよく口を乱される。
「はっ、」
「ぷはっ」
口を離されて、荒くなった息を整える。
「本当もう、勘弁してくれ」
「な、にが…?」
遥、と名前を呼ばれる。
不意打ちで名前を呼ぶのはやめてほしい。
「本当にいいのか?」
「…うん」
本当は、不安だ。
怖い。嫌な記憶が引っかかる。
けれど、
「に、…真人君が、いい」
君で埋めて欲しい。
君の全部が欲しいなんて、欲張りだろうか。
「…お前の全部、もらうぞ」
「っ、は、い…」
君がそう言ってくれるのなら、同じだ。
力、抜いとけよ、と耳元で掠れた声がした。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
151 / 256