アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
イタズラ
-
「………」
「………」
えっ、と。
これは、どういう状況なのだろうか。
ベットから出られない僕は、そこに座り、二ノ宮君は僕の隣に腰掛けてて。
その前に、床に頭をつけている桜月君。
というか、土下座している桜月君。
「直人」
「はい」
「何してる」
「土下座です」
「見りゃわかる」
「なら聞かないでください」
お前なぁーと、ため息を吐く二ノ宮君。
「あ、の…桜月君」
「はい」
「なんで、土下座なんてしてるの?」
「佐々木、いましたよね」
僕と二ノ宮君は顔を見合わせる。
佐々木さん?なぜ今ここで?
「それがどうした」
「あれ入れたの、俺っぽいです」
「え、?」
「はぁ!?」
え、桜月君が!?
なんで。
「お前、まさかわざと…!」
「な訳ないじゃないですか。
ちょっと、会長と委員長のこと想像してhshsしてたら、気づかぬ間にってヤツですね」
「は、はす……?」
桜月君の言うことが一部わからなかった。
はすはすって、なんだ…。
「…相変わらず気色悪いなお前」
本気ではないだろうけど、若干引いた顔で二ノ宮君はそう言った。
「光栄ですね」
っと、とこういうことを話しに来たんじゃありませんと、また僕に向き直る。
「つまりは、俺の責任です。すみませんでした」
深く、頭を地面に押し付ける。
「も、もう大丈夫だからさ、顔上げて?」
「鈴原が大丈夫でも、俺が無理だ。
一発殴っていいか」
「そうくると思ってましたよ。
独占欲強い男は嫌われますよ」
「う、うるせぇよ!」
な、何が何だか僕にはついていけなくて、二人の会話をキョロキョロと見ているだけで。
けど、と桜月君は言った。
「俺が謝っているのは会長です。
ですから、会長が殴ってください」
「……えっ、僕?」
「はい」
あれ、僕もう大丈夫だって言わなかったっけ。
それに、人なんて殴ったことないんですけど…。
「いや、本当にもう大丈夫だから。
それに、桜月君にはその時も助けてもらったし…」
「それじゃ俺が納得できません」
え、えーーー。
「鈴原」
「に、二ノ宮君」
どうしよう、と目で訴える。
二ノ宮君も困ったような顔をして、
「一発殴ってやれ」
え、え、えーーー。
目の前で目を閉じてジッとしている桜月君をみる。
もっと他に、ないのか……。
仕方がないと、ぐっと口を結ぶ。
「桜月君」
「はい」
「本当にいいの?」
「はい」
桜月君の中ではとっくに覚悟は決まっている様子で。
じゃあ、と僕は手を挙げる。
両手を桜月君のほっぺあたりに置いて、
ぐっと頬を掴んで両方へ引っ張った。
「え、かいひょ……」
頬を引っ張られているせいで頬は伸びて、はっきりと言葉を言えない桜月君に、
「あははっ」
僕は笑った。
「あの、これじゃおれは……」
「んー、いいんだよこれで」
「鈴原甘いって」
だって、と僕は言う。
「イケメンの変顔、ゲット……?」
面白かったから、これでチャラね、と。
「本当、会長にはかないませんね」
そう言った桜月君も、小さく笑った。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
155 / 256