アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
でしゃばった欲
-
踵を付けて、俯く。
なんか、勢いで凄いことやってしまったような。
「お前、」
「い、言わないで!それ以上言わないでください!」
「はぁ…?」
二ノ宮君が口を開いたと同時にそれを遮った。
「すずは…」
「ご、ごめんって!」
先に紡がれる言葉が怖くて、聞きたくない。
「い、今のは思わずというか、その…」
モゴモゴと言い訳まがいのことを言っていると、手首を軽く捕まれ、引かれ。
軽くキスをされた。
「っ、」
なぁ、と二ノ宮君は言う。
「なんで謝んの?
俺のこと好きだから、キスしたんじゃねぇの?」
「そ、それは…」
そうだけども。
「俺はお前からしてきて嬉しかったんだけど」
何が不満?と聞かれる。
不満?不満なんて、
「ない、です」
「なら問題ねぇな」
「え、?…んっ」
もう一度唇を合わせられた。
けれど今度は深い方。
待って、待って!
ここ、生徒会室だってば…!!
けれど、そんな言える余裕もなくて。
少しだけ、このままでいたいというか。
欲が、出てしまっている気がする。
「ふっ、ん、…」
恥ずかしいけれど、手を離して欲しくない。
けれどスッ、と離れてしまった唇が、少しだけ名残惜しい。
「ぁ……」
くっ、と二ノ宮君は笑った。
「そんな顔したら、止められなくなるから」
酸欠で、ちょっとボーっとした頭で。
二ノ宮君を見ながら思った。
あぁ、
「かっこいいな、二ノ宮君」
「………わかってねぇな…」
きっと。
僕が会長じゃなかったら、出会うこともなくって、遠くから見ているだけの人。
ここだけ、前の会長に感謝しなきゃいけない。
「行くぞ」
ふと、二ノ宮君が言った。
「どこに?」
「直人も心配してる」
「あ、そっか」
「あと、……」
「ん?」
「いや、なんでもない」
「……?」
この時言い淀んだわけはすぐにわかった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
163 / 256