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質問
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「鈴原」
若干ため息が混じった二ノ宮君の声に、はっと顔を上げる。
あれ、知らず知らずのうちに何か呆れさせるようなことしたかな。
「な、に?」
「いいんだ、体操座りはいいんだよ。
けどお前、前みたいにパンツすら履いてないから今…………見えてるぞ」
「っ、!っっ!!」
慌てて、立てていた膝を落とした。
考え事をする時に自然と膝を立ててしまう癖、直したほうがいいかもしれない。
「ごめん、ごめん!」
「謝らなくていいって」
そう笑って言ってくれるけど、僕が死にそうだ。
それより、と僕の隣に座る二ノ宮君。
「ここがいい?あっちがいい?」
あっち、と指されたのは二ノ宮君の寝室の方向。
つまり、ソファでするかベットでするか的な。
あぁもう、なんて破廉恥な。
「……………あっちでお願いします」
きっと二ノ宮君はわざとだ。
わざと僕が返しにくいことを聞いている。
「抱っこ?歩く?」
「あっ、歩きます!」
そっか、と寂しそうな演技っぽく言った。
その後、何故かどちらとも話すことなく静まり返り、またどちらとも動くことなく時間が経った。
「あの、」
「んー?」
「その、行かない、の?」
いや、僕から誘っているとかそういうのではない。断じて違う。
ただ二ノ宮くんから聞いてきたのに、それに僕は必死に答えたのになぜソファに座ったままなのだろうか。
「じゃあ」
ふっと、僕の手を取って握る。
ー手をつないで何になるんだろう。
「連れてって?」
あぁ、そういうことか。
結局この人僕に恥ずかしいことさせたいだけなんですね。
「今日だけ、ですから」
「あぁ」
自分からいくということは、なんだか僕から誘ってるみたいで、恥ずかしい。
むしろ死にそう。
手から、鳴り止まない胸の音が聞こえてそうで怖い。
僕から先にソファから立って、二ノ宮君の腕を引っ張る。
そして、手を引いて歩いていく。
1度だけ、そう文化祭のあの時来た時の部屋。
場所は覚えてる。
しまっているその部屋のドアの前に来て、ゆっくりと扉を開ける。
ー真っ暗だ。
けれど電気のスイッチなんてどこにあるかはわかるはずもない。
とりあえず中に入ると、バタンと扉が閉まる音が聞こえ、スルリと二ノ宮君の手が離れていった。
「あ、……わっ」
と思ったら瞬間、後ろから抱きしめられて驚いて声を出す。
後ろから心地の良い体温。
暗くて見えなくても君がいると実感させられる。
「ドキドキした?」
ほら、また
「…ドキドキしました」
「電気つける?」
「………」
この場合、どっちがいいんだろう。
つけないほうが、見えないからいいのか。
つけたほうが、安心するのか。
あぁでも、いらぬことを思い出して二ノ宮君に迷惑はかけたくない。
ただでさえ、喜ばせたいのに。
「…………つけ、る」
「ん」
すぐにパチッと電気がついた。
「真っ赤」
後ろで二ノ宮君が小さく笑った気がした。
真っ赤って、誰のせいですか誰の。
「だって…、ひっ!?」
いきなり首筋を舐められた。
ペロリと生暖かい感触がしたすぐ後にキュ、と少し強く吸われた微弱な痛み。
「いっ、ん、」
「ん、綺麗についた」
そしてそこを指で撫でられた時に気づく。
「まさか、跡…つけたんですか」
「正解。つけたかったんだ、ずっと」
俺のみたいで、いいよなって。
そんな独占欲丸出しの台詞にかぁ、とまた顔に熱が集まるのがわかる。
「僕は、ずっと二ノ宮君のです」
俯いたままでそういえば、またギュッと抱きしめられる。
「ほんと可愛い」
ちょ、それはなんか違う。
さら、と前のほうに違和感を感じた時はもう遅かった。
二ノ宮君の指先が、鎖骨を撫でる。
「ここ、弱かったっけ」
「ひィっ、あっ」
弱いと言っているのにそれをわかって触ってくるあたりだいぶ意地悪だと思う。
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