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攻めの確率 桜月side
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「あれ、お前…」
頼まれた一仕事を終えた後、どうせ暇だろうと保健医に連れてこられたのは体育館の二階にある役員席。
堂々と座ってるけど、ここにいられるの俺のおかげだからな。
「何ですか」
「コーヒーにミルク入れてたか?」
確かに俺はブラック派だけど。それを特別誰かに言った覚えはなかった。
よくそんなところまで見てるな。
「まぁ、」
「甘いの苦手じゃなかったっけ?」
「……好きじゃないけど、これは大丈夫なんです」
「そうなのか」
で、結局こいつは何したいんだ?
チワワ達を追い払ってくれたのは感謝してるけど。
コーラを飲みながら、下のダンスの様子を見ている。タイミング悪く、バチリと目が合ってしまった。
「さっきの、真人のやつ、なんだったんだ?」
そう言われて、あぁ、会長上手くいったかなと思い出す。
「会長の委員長へのサプライズバースデーパーティーなんですよ」
そう言うと、なるほどなと笑った。
きっとそう、今頃……
「うへへ」
「………気持ち悪いぞ」
あんなことやそんなこと、手に取るようにわかる今頃の会長達の様子を想像してると、思わず声が漏れてしまった。
ごほんと咳払いをして、俺も下の様子を見る。
そして、何を喋るでもなく、2人でぼーっと下を見る。
「あの」
「なぁ」
「「…………」」
「なんですか」
「いや、大したことじゃねぇから、先に言え」
「俺だって別に大したことじゃないです」
これじゃ、無限ループだ。
先生、と呼んで、
「じゃーんけーんぽん」
と、唐突にじゃんけんをした。
俺がパーで、保健医がグー。不意打ちには弱いってね。
「じゃ、負けた方から」
と、強引に決めてやった。
「お前、それ反則だろ……」
ブツブツと文句を言う保健医に、早く言えと視線を送る。
そんな俺に、渋々といった感じで保健医はため息をついた。
「お前さ、今好きなやつとかいんの?」
本当、今日のこいつは予想外ばかりだ。
なんでいきなりそうなるんだ。
「会長、ですかね」
「あ?鈴原?まじ?」
「はい。小動物みたいで可愛くないですか。すっごい愛ででやりたくなります」
「あー、そっちか」
「ほっぺ赤くなるとことか、可愛すぎです。はにかんだりなんかしたら、こっちまで照れそうですよ萌殺す気かって感じで、見てて飽きないというか、楽しいんですよね」
「そうか」
夢中になった話はそう簡単に止められない。
「不安そうな顔見ると、抱きしめたくなっちゃいま……」
「そうじゃなくて」
話してる途中、いきなり顎を引かれ、保健医と目を合わせられる。
なんで、そんなに真剣な目をしてるんだ。
「あいつの可愛さはわかったから、
そうじゃなくて、そう言う好きじゃなくて。わかってんだろお前」
「……LOVE的な意味でですか?」
こ、これはまさか。
「あー、まぁそうだな」
………………flagだ…。
「なんで、ですか?」
これは、回避しなければ。
へし折ってしまわなければ。
「いや、お前でも抱かれたいとかあるのかなって思ってな」
「は?なんで俺が受け……」
もう一度言おう、なんで俺が受けなんだ。
「受け?」
「あー、いや、なんで俺が下の方かなと」
これでも、ランキングは抱かれたい方に入ってるんだが。すんなりと出てきたポジションが受けって。
「お前、絶対下だろ」
そう笑う保健医に、カチンとくる。
「子供扱いしないでください。
だいたい、あんたの弟だって、ヘタレじゃないですか。俺よりヘタレですよ。佐々木の件がなければ絶対会長とアッーな展開になんてなってませんよ。そこだけは感謝してほしいくらいです。てかむしろ、会長の方がまだ男前ですよ。可愛くて男前とか、半端なくないですか」
「わ、わかったから、悪かったって」
謝りながらも反省してない様子に、口を尖らせる。
「あぁもう、会長なんて、俺が貰ってやればよかった」
「無理だろ」
なぜか、そこだけ真顔に戻った保健医。
「お前でいう、受け?だっけ?受けどうしじゃ、無理だろ」
「はぁ?俺は攻めですぅ。会長相手だったら100%攻めですぅー」
なんだかもう、ヤケクソだ。
「けど」
「俺は受けじゃねぇし………あっこれやばいフラ、んっ」
突然唇に感じた、柔らかくて暖かい感触。
「けど、俺相手なら受けだろ」
そう甘く低く、保健医の声が響いた。
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