アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
男子会
-
「あれー?かいちょー?」
紀田くんに誘われて初めての生徒会の他の人の部屋を訪れた訳だけど、
ドアを開けて橋倉君に「何でここにいるの?」的な視線を送られて早々に帰りたくなってきました。
「私が呼んだんですよ。別にいいでしょう?」
「なるほどねー。いいっていうか、歓迎だよー!ほら2人とも、入った入ったー」
「あ、お、おじゃまします」
挨拶をした僕とは違って、何も言わず当たり前にスッ、と入っていく紀田くん。
「ほら、挨拶なんてしなくていいからさー」
「挨拶は大切だよ、橋倉君」
首を傾げて微笑んで言えば、橋倉君は目を丸くしてしまった。
僕はそれを通り過ぎて、リビングに入る。
どうやら間取りは僕の部屋と同じようで
先に行った紀田くんと元からいたのであろう藤塚君がソファに座っている。
やっと我に帰ったのか、橋倉君がお茶とお菓子を持ってきてくれて、4人で他愛もない話をする。
「そーいえばさ、かいちょーの家ってどんなのー?中学でも役員してたわけじゃなかったし
正直聞いたことないんだよねー」
橋倉君のその聞き方に悪意はない。
「橋倉君たちの家にはさすがに負けるけどいたって普通の家族だよ」
まさか僕の話になるとは思わなかったけど、
やっぱり家同士って気になるのかな……
「でも、遥は再婚相手の子供だったんでしょう?」
「え、あー。ははっ、なんだ知ってるんだ。
まぁそんな風になるね」
ぼ、僕のことまで知ってるとは思わなかった。
「は…る、だ、じょ……の?」
藤塚君は心配してくれているのか。
「うーん、大丈夫だよ。大丈夫、みんな優しい」
「遥、何かあったら私たちに言ってくださいね?」
「え、?」
「そーだよー。相談とかしていいんだからねー!
もう生徒会の仲間なんだし!!」
「え、あの」
「はる、み…な、い、、、る」
「あ、ありがとうございます」
なんだ、みんないい人達じゃないか。
金持ちとかそーゆーのじゃなく、友達思いの優しい人達じゃないか。
ありがとうと言って俯いた僕がちょっと泣きそうになったのは秘密だ。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
8 / 256