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最初の失敗
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足取り重く、生徒会室の扉を開ける。
「ただいま帰りました……」
「「「お帰りなさい」」」
「で、理事長の用、とは?」
うん、やっぱりそこに気なるよね。
「転校生、だって」
僕が時計を見ながらそう言うとみんな転校生?と驚いている。
あれから5分弱経っている。
あと5分しかないからもう行かなきゃな。
この学校いくら何でも広すぎなんだよ。
「で、いつその転校生くるのー?」
「あと、5分後」
「「「えっ!?」」」
うんうん、僕もわかるよその気持ち。
なるよね、えってなるよね。
「だから今から迎えにいって、
「ちょっと待ってください。」
ーん?」
「昼までの提出書類がこんなにあるのに、どうするんですか」
紀田くんに指をさされたところへと視線を向ける。
「、あー」
そこには僕の机に積み重ねられた書類。
あれ全部、今日の昼までだった。
制限時間はあと30分しかない。
けど、迎えにいってたらここに戻ってくるのは運が悪ければ30分後だ。
どうしよう。
「わかりました。私は今のところ急な仕事はありませんので行ってきますね」
「うぅ、ほんとごめんね、紀田くん」
「いいですよ。では、行ってまいります」
「「「いってらっしゃーい」」」
ここの人たちみんな頼りになりすぎてやばいんですけど。
感動で泣きそう。
あ、僕も仕事しなくちゃ!
せっかく紀田くんが時間作ってくれたのに!
「ねーねーかちいょー。これ、転校生?」
ん?と見ると真ん中の机に置いた転校生の資料を橋倉君と藤塚君が見ていた。
そこには、写真もあるわけで……
「あ、あー」
2人とも凄く怪訝な顔をしてる。
そういえば紀田くんには見せてなかった。
怒って帰ってくるかな?
紀田くん潔癖入ってたもんな……
でも、転校生を迎えに行って帰ってきた紀田くんは笑顔で、なんだか怖かった。
「紀田くん?」
「はい」
弾んだ声で答えた紀田君を見ながら、僕は怪訝な顔を隠しきれなかった。
「何があったの?」
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