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偶然か、否か
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「はぁ」
もう何度目かわからない溜息を吐く。
それすらも、1人だけの生徒会室に寂しく響く。
あれから3日が経った。
紀田くんたちはまだ来ない。
とゆうか、連絡すらない。
教室に戻ってもその姿は見つからず、生徒会の特権を使っているんだと思う。
それには大原くんも一緒で、一般生徒が授業を受けず、一日中生徒会がいない、つまり生徒会役員と転校生がずっと一緒にいるなんて噂になるのも早かった。
逆に、いくらこの学校が大きいとはいえは教室にも生徒会室にもいないのに一体どこにいるのだろうか。
「あぁ、大原くんは理事長の甥だったな」
理事長に頼み込めば僕らが知らない部屋の一つや二つ、貸してくれるだろう。
別に友好関係にとやかく顔を突っ込むわけではないけれど……
仕事しろよ!!
って感じなわけですよ。
体育祭まで、残り1ヶ月をきって仕事の量も前より段々増えてきた。
紀田くんたちの捜索は、親衛隊に任せている。
僕も探したいところなんだけれど、正直時間が惜しい。
授業も最近危ないのだ。
だからって倒れたりなんかしたら、あの保健室に行くことになるし。
それは避けたい。
「………眠い」
連日の寝不足による睡魔が襲ってきて、眠気覚ましに飲み物でも買いに行こうと生徒会室を出て校内に設置してある自販機に向かう。
と、自販機から少し離れた位置で飲み物を買っている人物が目に入る。
ーあれは……
自販機の仕組みを知らないのか、何かを叫びながらガンガンと蹴っているその人は
「…壊れるよ、大原くん」
噂の噂の転校生。
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