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桜月君は
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「鈴原、会長?」
「っ、あ、さ、くらづき君……」
紀田君たちが生徒会室から出て行った後、
部屋の真ん中で動けなくて、突っ立っていると、桜月君から声をかけられた。
目の前に扉があるのに、桜月君が入ってきたことに全く気がつかなかった。
「どうしたの?」
見られただろうか、怪しまれていないだろうか、気付かれて、いないだろうか。
要件を聞いたけれど、僕の頭の中はさっきの事が見られていなかったか気が気じゃなかった。
「いえ、最近ずっと1人で頑張っていたようなので、様子を見に」
1人、という単語にドキリとする。
「そっか。うんなんとかやれてるよ」
笑えてるかな。
「何かありましたか?」
「え、?」
僕とは違って綺麗な笑顔で問う。
でもそこには心配って書いてあって。
「ううん。何もないよ」
「…そうですか」
これは僕1人の問題だから、桜月君達に迷惑をかけるべきじゃない。
それに、生徒会同士で衝突したなんで二ノ宮君になんて言われるだろう。
「委員長と、何かありました?」
また全く別の単語が出てきてびっくりした。
あれから1度もあってないというか、僕が避けてるというか。
「何もないよ?」
あれだ、桜月君は鋭い。
気づくというか、勘づくのが早い。
スッと眼を細める彼は何もかも知っているんじゃないだろうかと余計に不安になる。
「そうですか。会長」
「?、はい」
「辛くなったら、頼ってもいいんですからね。
俺も、委員長も」
「、ありがとう、桜月君」
数日ぶりに自然に笑えた気がした。
では、と笑い返してくれた桜月君は生徒会室を出て行った。
「はー」
片手で前髪をかきあげながら重い溜息を吐く。
本当に様子見に来ただけなんだと思いながら。
なんか、うん、少しだけ軽くなった。
ありがとう、桜月君。
「これでよかったんですか」
扉の反対側、出たすぐ横に立つ風紀委員長、二ノ宮に副委員長桜月は尋ねた。
「あぁ」
「自分でいけばいいじゃないですか」
「俺が行ったら、怖がるだろ」
「そこがうまうまななんですけどね」
「は?」
「まぁそんな委員長も萌えますけど」
「何言ってんださっきから」
「いえ。ただ早くくっついて俺に萌えをくれないかな、と」
「わけわかんねぇぞ」
「会長×平凡って思ってたんですけどね。まさか委員長×会長だとは。
んー、さしずめニノハルってことですかね。
素晴らしい」
「お前、、大丈夫か?」
「おっと、すみません。戻りましょうか」
「あ、あぁ」
ーな、なんなんだ。
ますます訳が分からなくなる二ノ宮だった。
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