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逃げる
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大原君が生徒会に入った、という発表後。
僕は一旦生徒会室に戻って1人どうしようかと考えていた。
いやもちろんあの4人は生徒会室に来なかったけれど。
「あの部屋にいるんだろうけどな……
何て言われるだろう」
頬杖をつき憂鬱な気分に浸っていると、トントン、いやドンドンと扉を叩く音が聞こえた。
その音をノックだと認識し、はい、と答える。
荒々しく扉を開けて入ってきたのは二ノ宮くん。その顔から察するに、とてもとても機嫌が悪いようです。
「二ノ宮君…」
「どういうことだ」
「えっと?」
挨拶もなしにいきなり言われたら誰だってアホ面になりますって。
チッと舌打ちをしてくれまして、僕を睨みつける。
「さっきの大原の事だ。風紀は聞いていない。」
「あー、それは……僕も初耳といいますか…」
今度は「は?」と二ノ宮くんがアホ面になる番でした。
あっはは、イケメン……。
「あいつらの単独行動って事か」
「あ、でもその原因は僕にあるというか、その……」
僕の発言の意味がわからなかったのだろう、ますます眉間のシワが深くなる二ノ宮くん。
「お前がしたのか?」
どうしようか。
どこから話そうか。
いっそ今までのこと全部話してしまおうか。
「えっ、と、みんなが大原君といたいって言うから……それなら授業免除があると生徒会に入れればいい、的なこと言っちゃって…」
「馬鹿かお前は!」
「ぅ、」
案の定というか、すごい怒鳴られました。
「ただでさえ体育祭が近いのに、そんなこと風紀にも相談せず、会長から進める奴があるか!」
「……おっしゃる通りです」
「だいたいお前、また仕事遅くなってるって直人が言っていたが…、何をやっているんだ」
いや。してるんですけどね。
明らかに人数不足ですよね。
「お前も仕事したくなさに大原に夢中になってるんじゃないのか」
逆なんですけどね。
「会長なら自分の仕事はちゃんとこなせよ。
だから嫌なんだよ、何もわかってないヤツ…」
「わかってる!」
初めて、二ノ宮くんに怒鳴った。
「二ノ宮くんは何も知らないくせに!」
「……鈴原?」
戸惑ってる二ノ宮くんが見える。
「僕が会長だって、認めてないかもしれないけど……、けど、やる事はちゃんとやってます!」
あぁもう嫌だ。
こんなの関係のない二ノ宮くんにぶつけてる自分が嫌だ。
「…っ」
「鈴原っ!?」
呼び止められる前に、僕は二ノ宮くんに背を向けて走り出す。
どこに行けばいいだろう。
こんな姿を誰に見せれるだろう。
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