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激突
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「なにやってるんですか!」
「翼!成!美樹!」
「き、だくん……」
僕が、大原くんに怒鳴った時にやってきた紀田くん達。
なんて、タイミングのいい。
眉をハの字に寄せながら、橋倉君が口を開いた。
「何されたの、蓮?」
なんでされたこと前提なんですか。
「俺が遥に助けてやるって言ってるのに、関わるなって言うんだ!せっかく心配してるのに!」
僕を指差して目に涙を溜めながらそういう大原くん。
ゆっくりと3人は僕を見た。
「見損ないましたよ、遥」
「っ、」
僕を見る三人の目はこの前と比にならないくらい冷たくて。
軽蔑と嫌悪が詰まってて。
それに耐えられず目を逸らした。
「蓮に酷いことしないでくれるー?」
「ち、ちがっ……」
言える?
違うって、言えるのか。
言えない。
怒鳴ってしまったのは、僕だから。
「僕は、ただ……」
「蓮が生徒会に入ったのが、そんなに納得がいきませんか」
いや確かにそれは聞きたかったけれども。
「遥は、俺が嫌いなのか!?」
なんで泣きそうな顔して腕にしがみついてくるんですか。
泣きたいのはこっちの方なのに。
「僕を嫌いなのは、大原くんの方じゃないの?」
「何でだよ!遥のことも、みんな大好きだ!」
紀田くん、橋倉くん、藤塚くんの3人がとても嬉しそうに大原くんの名前を呼ぶ。
それでも僕は、嬉しくなんてなれないんだけれど。
「なぁ遥。俺のこと、嫌いじゃないよな!?」
「そんな事ないじゃ〜ん。ねぇ、会長?」
縋るように僕を見つめる大原くん。
を、優しく見た後に鋭く僕を見る3人。
腕に巻きつく大原くんがキモチワルイ。
「はなして」
聞こえるか、聞こえないかの小さな声で放った言葉はみんなには聞こえてなくて。
「遥も俺のこと好きだよな!」
すぐ耳元で聞こえる大原くんの大きな声に嫌悪感がつのる。
「離して」
僕の、そのしがみついてる腕を。
「なぁ、嫌いなわけないよな!」
「っ、離せ!」
「え、わっ!?、いたっ!」
また怒鳴って、引き剥がす。
その拍子に大原くんは尻餅をついて。
「あ、ごめ……」
「蓮!?大丈夫ですか!?」
でも僕より早く紀田くん達が大原くんを囲んでしまった。
「何するんだよ!友達にそういうことしちゃダメなんだぞ!」
「あなた、最低ですね」
「かいちょーがそんなんだって、思わなかった。」
「か、ぃちょ、サイテー」
「これだからさ、庶民は困るんだよなー」
そんなつもりじゃなかった。
そんなに、強い力で押してない。
でも、そんな僕の声すら今の紀田くん達には届かないのだろう。
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