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鞭打ってでも
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「っ、はっ」
せり上がってくるような熱さと、息苦しさで目が覚めた。
「あ、つい……」
寝ていた、と言うよりは気を失っていたに近いけれど、切れる息と早い鼓動は変わらない。
ていうか、酷くなってる?
まさか、母さんに騙されるとは思ってなかった。
思いたく、なかった。
あまりの息苦しさに、体を丸めようとした時、ベットのシーツと身体が擦れた。
その時走った感覚に、クッと喉がひきつる。
まさか、と考える。
「びや、…く?」
クスリ。
母さんはクスリと言っていた。
媚薬なんて、名前だけしか知らないけれど、僕が知っている症状で当てはまるのはこれだけだ。
「っ、嘘、だろ…っ」
そんなもの、子供に飲ませたのか。
嫌いとはいえ、実の子供に。
なら息苦しいのも、身体が熱いのも納得だ。
けど、こんなもの飲ませて、何になるというのだ。
地獄とも言える感覚に溺れそうになった時、鍵がかかっているはずの扉が音を立てて開いた。
誰だ。
父さんか?いや、今日は帰ってこないはずだ。
母さん?足音が違う。
じゃあ、誰?
チラリと、体を動かすのが辛いため視線だけで扉の方を向く。
「……、佐々木、さん?」
黒髪をオールバックにして、若干つり目のその顔は整っていて、野獣的な雰囲気を持っているその人。
名を佐々木翔といったはずだ。
父さんの部下で、何度か家に来ているのを見たことがある。
名前を呼ばれた佐々木さんはニシ、と笑った。
「わお、覚えててくれたんだ」
「なんで、ここに…」
正直、僕がなんで佐々木さんを覚えているかより、なんで佐々木さんがここにいるのかということの方が重要だった。
「んー、社長に言われてきたんだよ。いいことできるって」
父さんの考えが、わかった。
飲ませた媚薬とこの状況なら、わからざるを得ないだろう。
まして、学園でそういうことにはちょくちょく遭遇するし。
「まぁ、正直狙ってたし?」
「狙う?」
「あれ、気づかなかったの?
俺がいつも君と会う時、どんな目で見てたか」
言われて、見て、納得した。
そして、恐怖する。
この人は、この人が僕を見る目は、獲物を狙う野獣そのものだ。
「一緒にさ、楽しいこと、しよ?」
ネクタイを緩めながらつかつかと近寄ってくる佐々木さん。
この人もだいぶイケメンだから、そんな仕草も絵になるが、そんな事どうでもいい。
それどころじゃない。
「こ、来ないで、くださいっ」
ズルズルと重い体を引っ張り、遠ざかる。
何をされようとしているのかわかった今、待っている人など、いるだろうか。
「どうせクスリで辛いんでしょ?」
び、や、く、と口元を歪ませて言う。
たちが悪い。
正直、引っ張った身体がシーツにこすれ、それだけでも強い刺激になって辛いのに。
そんなベッドだって、無限なほどに広いけわじゃない。
「う、わっ!?」
いきなり身体が反転したかと思うと、ドタンっという音とともに、ベッドから落ちてしまった。
驚きと、痛さと、強い刺激に耐え動けずにいると、うつむいた視界の目の前に佐々木さんの靴が入った。
「あーぁ」
笑いながら近づいてくる佐々木さんに恐怖が募る。
逃げなければ、。
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