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7日。7日目。
夏休みの仕事を全て終わらせ、珍しく桜月直人は走っていた。
それはもう、ダッシュで。
ダンっと保健室の扉を上け、目的の人物を探す。
「先生!」
その人物は、保健医はすぐに見つかり、詰め寄る。
「わかってるっつーの。まぁ、何かあったわけじゃねぇけど、念には念をってな」
いつもの白衣姿をは違う、スーツ姿の先生を見つめる。
「なんだかんだいって、準備万端ですね」
「うっせ」
痛いところをつかれ、ぐしゃりと桜月の髪をかき回した。
数時間後、桜月が動かした車で、飛ばして鈴原邸へ着いた。
「結構遠かったですね」
「いやあれはぶっ飛ばしすぎだろ」
ゲッソリしていた先生は無視をした。
鈴原遥の友達と先生です、と出てきた使用人には説明し、客間へ通される。
友達だと説明したのに、本人が出てこないことで嫌な予感はした。
厳しそうな主人。
会長の父親をなんとか説得し、会長と会えるようにしてもらう。
「桜月」
「はい」
「俺はここであの人らの相手してるから、様子見てこい。確定だったら連絡よこせ。言わなかったら、少し強引でもいいから」
「…はい」
コソリと告げてきた先生に頷いて会長の部屋へ行く。
案内してくれた母親には先生からの話もあるだろうからと戻らせた。
「さて、と」
ゆっくりと。
ゆっくりと開けた扉の向こうでは、こちらを見ない会長がベットの上で微かに震えていた。
近づくと、その震えはだんだん大きくなって、見ているこっちが可哀想になってくるほどった。
なにを、されたんだ一体。
落ち着かせようと優しく肩を手を触れれば、ビクッと体がはねて、思わず「っすみません」と話してしまった。
その声に、会長は顔を上げた。
最後に見た時よりも、ゲッソリしていて顔色が悪かった。
その後、喋れないとわかった俺は「確定」として先生に連絡した。
「俺です。
『誰だよ。詐欺か』
煩いですね。会長の事ですが
『確定か』
はい、確定でいいと思いますよ。
『どんな様子だ』
見に来たらどうですか。
そこから上に2階上がった一番奥の部屋ですよ。
『迎えに来い』
嫌ですよ面倒くさい。
『わーったよ、すぐ行く。待っとけ』
はい、わかりました」
どうしようもない大人とは、この人のことだと思う。
喋れないと会話もできないと思い、そのまま俺の携帯を会長に渡す。
ありがとうと打ってきた会長に、変わってないなと笑いが漏れた。
そのすぐ後に扉壊す勢いで入ってきた先生を本当に殴りたくなった。
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