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桜月VS鈴原
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僕は、桜月君の言う"車"に乗った時、少ししたらうつらうつらしてきて、「寝ててもいいぞ。てか寝てろ」と先生から言われたから、そのまま意識を暗闇に投じた。
その頃、鈴原邸内では。
未だ廊下で桜月と鈴原家当主が向かい合っていた。
「別に」
と、桜月が口を開いた。
「別に、貴方にとっては会長がいなくなってもいいはずだと思うんですけど」
虐待をしていて、その子供が好きだという親なんていないはずだ。
「というか、願ったり叶ったりではないですかね?」
何故そんなに会長が出ていくことを拒むのか。
ーバレたら、か。
チラ、と男の横で泣き崩れた母親を一瞥する。
ー追っては行かないんだな。
その様子を冷静に見る。
「何を勝手なことを。子を連れて行かれて喜ぶ親などいないだろう」
イライラするのに、頭はだんだん冴えてきて。
「子?虐待していたのに、親を気取る気ですか」
「だから、やってないと言って…」
「悪いですけど」
鈴原当主の言葉を遮る。
「俺は会長を信じるんで」
その言葉に、目の前の男はギリ、と俺を睨んだ。
「躾がなってないな。名を言え。
家に連絡してやる」
「おや、言ってませんでした?」
まぁ、言ってたらそんなこと言えませんよね、と付け加える。
「どういうことだ」
「"桜月"といえば、わかりますか?」
「桜月………、まさか」
「ご明察。その通りです」
ニコ、と目の前の男に向かって笑う。
対照的に男は驚きを隠せないながらも俺を睨んだ。
「桜月家のご子息がこんな風に家に押し入ったと広まれば、どうなるでしょうね」
「揉み消しますよ。根本から。
その前に、鈴原家当主が息子を虐待していたと、報告しますけど」
少しだけ、感心した。
二ノ宮家ほどではないが、桜月家も相当な権力を持つ。
それに立ち向かうとは。
文字通り、鈴原など相手にならないくらいに。
つまり、家の権力でおどしているわけだ。
二ノ宮よりは動きやすいから。
「では、待たせてるので行きますね。
詳細は、まぁ、改めて」
後ろを向くと、待てと呼び止める声がした。
「なんでもしよう。だからこの事は…」
「残念ですが。貴方に求めるものはないんですよ。あと、この事はきちんと報告させてもらいます」
私情も結構入ってますけど、と。
「今回のことは、結構怒ってますんで。
業界にいられなくするくらいで済むなら安いものじゃないですか?」
本当は社会的に抹殺くらいしてしまいたい。
けれど、それは会長が喜ばないだろうから。
鈴原当主の命か、出口で待ち伏せていたこの家のSP達を、まぁ、うん。
やっつけといたことは、
「伊達にあの学園で風紀の副委員長なんてしてないんですよね」
秘密だ。
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