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遥の作戦
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「遥くんってさー、ほんと肌綺麗だよね」
何かしてるの?、と首から顔を上げて佐々木さんはそう問うた。
「……」
僕はそれに、無言で返す。
どうしようか、どうやって逃げようか。
必死に頭の中で考える。
「誰か待ってるの?」
待ってる。
僕が待っているのはただひとり。
「けど、来ないよね?」
来るわけがない、と佐々木さんは笑う。
ふと、気がついた。
いつから僕は弱くなったのだろう。
すぐに人に頼ってしまうくらいに。
なら、誰も来ないなら。
「っ」
「おっと!?」
精一杯力を振り絞って、佐々木のお腹を蹴った。
効かないかもしれない。
けれど、一瞬だけでもいい。自由に。
持っていた携帯を開いて、二ノ宮君に電話する。
早く、早く。
「はいそこまで」
いきなり出てきた手に、携帯がパタンと閉じられそのまま遠くに投げられる。
「電話で助けを呼ぼうって?無駄だよ」
「わかんない、じゃないですか」
通話ボタンは押していた。
なら、電話にでなくとも電話があったことは、僕からかかったことはわかったはず。
床の上で携帯が光っているのは、二ノ宮君が電話してきているからだろう。
気付いて。
どうしたんだって、思ってくれるだけでいいから。
誰も来ないなら、自分で呼べばいい。
「気弱そうに見えて、何やるかわかんないよなー、実は」
ぐいっと、顎を持ち上げられる。
時間ないんだけどな、と呟いて僕の腕を強く引っ張り、部屋の真ん中にあるソファに投げられる。
そのまま覆いかぶさってきて。
「あの時と一緒だね」
などと言う。
それを下から睨みつける。
「こんなことしか、できないんですか」
「できないんじゃなくて、したいからするんだよ」
「変態が…」
「…ほんと、あの時と一緒だね。変わってない」
また僕の両腕を一つにまとめあげ、頭の上で固定される。
「うわ、足綺麗ー」
「っ、」
ツーと、僕の足首から太ももまで指先を這わせる。
気持ち、悪い。
「スカートってさ、捲り上げたほうがエロいよね」
脱がせるより、と。
マジで変態か。
言った通り、ゆっくりとまくりあげた。
「やめっ、離せっ、!」
「ははっ、面白いね」
スカートといえど。
中は普通に男物。
側から見れば異様な組み合わせに、羞恥が募る。
「んっ、」
れろ、と露わになった太ももを舐められる。
生温かくて、気持ち悪い。
下着に手をかけられて、降ろされそうになった時。
「鈴原?鈴原いるのか?」
ドンドンと扉を叩きながら、そう呼ぶ二ノ宮君の声が聞こえた。
来て、くれた。
危ない状況だというのに、その声を聞いただけで安堵してしまった。
そして、油断した。
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