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見ちゃった?
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桜月君が来て、廊下で待っていてくださいって言われ座っていると、
「鈴原」
と、僕を呼ぶ二ノ宮君の声がした。
怪我とか、してないみたいで。
「おっと」
「よかった…」
かがんだ二ノ宮君の首に、腕を回す。
また怪我なんてしてたらって、本当に心配だった。
だってそれは、僕のせいでしょう?
「佐々木さんは、?」
「直人に任せたよ」
「そっか」
もちろん桜月君も心配だけど、桜月君なら大丈夫だろうと思った。
なにより、二ノ宮くんが任せきっているのがその証拠だ。
「あ、あのな鈴原…」
「?」
僕の肩を持って抱きついていた体を離しながら、言いにくそうに二ノ宮君は言った。
「体育座りは別にいいんだが、その…今お前スカート…」
「っ!」
しまった。
何も考えずに体育座りしていたけれど。
佐々木さんのせいで着替えられなかった服は今もワンピースのままで。
つまりは多分、前から丸見えだったということで。
「あ、み、見ちゃっ、た?」
今更隠しても遅いけれど。
「……悪い」
バツが悪そうに二ノ宮くんは目をそらす。
別に男同士なら、パンツくらい見てもどうってことないかもしれない。
けれど。
僕には今、見られたくない理由があった。
二ノ宮君が部屋に入って来る前。
佐々木さんに握られた僕のそこは、反応してしまっていた。
二ノ宮君を待つ間、少しは落ち着いたけれど、まだまだ。
つまり言う所の、勃ってしまっていた。
隠しておこうと思ったのに自分からバラしてしまっているなんて。
気まずそうに顔をそらす二ノ宮君もきっと、そこまでわかってる。
「あの、これは……」
ふんわりとしたワンピースは、ズボンより良かったかもしれない。
「その、…」
何か言って欲しい…。
いや、やっぱり言わないでほしい、かも…。
ひいた、かな?
幻滅されたかな…?
そうなっても、僕はなにもできないけれど。
「…ごめん…なさい」
裾を握りしめたまま俯く。
ぽん、と頭に心地よい体温を感じた。
「鈴原」
それは二ノ宮君が僕の頭に手を置いたからであって。
「にの、…んっ」
そして軽く唇を合わせられる。
「鈴原、俺の部屋行こう」
そういう約束だったろ?、と。
「え、でも僕、」
こんな状態で。
行きけるわけが、ない。
「鈴原、大丈夫だから。震えるな」
そう言って抱きしめられる。
震える?
そう言われてやっと自分で気がついた。
あぁ僕、震えてるのか。
「あり、がと二ノ宮君。ありがと…」
僕も二ノ宮君の体に腕を回す。
「よっと」
「え、ちょっ」
膝裏に手を回して、体を持ち上げられるた、
何やってるの、と言おうとしたけど。
「プリンセスをリードするのがプリンスなら、お前をリードするのは俺だろ?」
「っ、」
なんて、恥ずかしいことをいうのだろう。
「行くぞ」
そう言ってくれる、そう笑ってくれる君が本当にー。
うん、と二ノ宮君の首にきつく巻きつく。
「二ノ宮君」
「ん?」
「……好き……、です」
「ん」
耳元で、二ノ宮君がクスリと笑った。
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