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夏休み前日 河野side
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あれから、二人で、何とか、乗り越えてきた。
日に日に悪化していく慎弥君の病気…
日に日に弱っていく慎弥君
慎弥君も、何か考えているのか、最近ずっと難しい顔をしてるんだ…
「奏…。話がある…」
話?
「どうしたの?」
「俺な、夏休み入ったらすぐ、入院しなきゃなんねぇんだ…そんな俺のそばにいてくれるか?」
「そんなの、当たり前でしょ!!」
僕だって、少しでも長く、慎弥君と居たいと思ってるんだから…、
僕の、大切な人のそばに…ずっと居たいと思うのは、普通の事でしょ?
「ありがと。奏…」
付き合い始めた時と比べると、凄く痩せた。
薬が、辛いんだとわかっていても、なんと、声をかければいいのか、分らない…
ただ、隣りに居てあげることしか、できない…
「毎日、お見舞い、行くね!」
慎弥君の目では、不安そうな顔なんて、みせられない…。
きっと、慎弥君の方が、もっと、不安なんだから。
僕が、慎弥君に不安を悟られるような状態じゃ、だめだ…
「なぁ、俺さ、これから、もっと、もっと、物を忘れることが、増える。いつかは、お前の事すら、忘れちまう。もし、俺と居るのが嫌になったら、離れて、いいからな。」
あぁ、僕が、なんか、不安を抱えてるのばれちゃった。
でもね、
「慎弥君のばか。ぼくは、何が何でも、慎弥君から、離れるつもりなんて、無いんだからね!」
慎弥君が、忘れないように、いっぱい、話そう。
名前も、顔も忘れられても、あぁ、良く、話してたやつが居たな。程度でいい。
君の記憶に、残れるなら。
僕は、幸せだよ。
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