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もちろん俺は優秀だから1-Sの教室への道のりは頭に入ってる。
俺は階段を素早く降りて寮を出ようとすると
「なっちゃん!いってらっしゃい頑張って~!」
と後ろから碧が応援してくれた。
俺は振り返って
「・・・ありがとうございます、頑張ってきます。」
嘘の笑いではなく本当の微笑みを向けて
俺はお辞儀して寮を出た。
碧の顔が赤くなってたけどなんかあったのかな。
寮から校舎へはそう遠くなくて
歩けば十分走れば五分といったところに門があった。
明るい太陽に照らされ吹く風に揺れている木々は
どことなく自分を歓迎してくれているように感じた。
周りを歩いている生徒達は基本グループになっていて
一人で歩いている俺はかなり浮いている。
・・・からこんなに視線があるんだと思うんだ。
ぼっちだからってそんな目で見ちゃダメだと思うんだ。
ひどくね?俺、先輩しか友達いないんだぜ?
1-Sでやっていけるか不安・・・そもそも王道きゅんが
もし隣の席に来たら俺は速攻殺される。
おっそろしいなぁ、まあ手筈は整っている。
校舎まで着くと全員、室内シューズに履き替え
脱いだ靴は自分で持っている。
事前に説明を受けていたからこれはクリア
「おっ、おはようございます伏見様!」
「おはようございますっ」
と何人かのチワワちゃんから声を掛けられて
少し嬉しかった。寮でも同じような事があったが
学校で言われると元気づけられたように感じた。
「おはようございます。」
にっこり微笑めば挨拶をしてくれたチワワちゃんや
周りの人間が目を見開き数人は走って何処かへ逃げた。
・・・なにか、悪いことしてしまったのかな。
するとその時、後ろから
「「「きゃぁあああああ」」」
と男とは思えない全寮制男子校特有の
小説で読んだ甲高い声が響いた。
お前らは女子高生かよ
後ろを向けば何やらキラキラした集団がいた。
あれは多分
「生徒会の方々ですっ、朝から見れるだなんて
今日はとても運がいいです!」
挨拶してくれた子がわざわざ教えてくれた。
目を輝かせて生徒会を見ているのを
俺は
この子総受けになんねぇかな
なんて思ってしまったからかなりBL不足なんだと思う。
おっちゃんが生徒会には接触するなって言ってたし
俺はその子にお礼を言って急ぎ足でその場を後にした。
校舎は四階建てで中庭がある。
ちなみに三階が俺の学年だ。
エレベーターがあるけれどやっぱ階段だな。
すれ違う生徒がたまに俺をガン見してくるが
気にしたら負けなんだと思ってる。
「あー!!!!」
後ろから聞こえた騒音に近い声に
ああ、最悪だ、と思ったが
平然な雰囲気を装って
王道きゅんに挨拶をした。
「おはようございます、お早いですね。」
最後のは少しの嫌味、もう少し遅く来いよってな。
「おはよ薙!!!」
うるせぇ
「なにあのもじゃもじゃ・・・最悪・・・。」
「アイツも新入生らしいぜ・・・はぁ。」
むっちゃ陰口言われてるやん・・・。
もしかして俺もあんな風に言われてんのかな。
「朝から元気で何よりです。
では、僕は先に」
「ッ待てよ!」
俺はわざと聞こえないフリをして廊下を歩く。
後ろからは早歩きで王道きゅんが追いかけてきた。
周りの生徒は嫌な顔をして王道きゅんを見ている。
もしかすると俺を見てんのかもしれないけど。
「む、無視すんなよ!!!」
どんどん近づいてくる声
俺は無視して進んでいくが肩を力強く掴まれた。
我慢しろ、俺
「何でしょうか」
「なんで無視すんだよ友達だろ!?」
「友達って言葉の意味分かってます・・・?」
「っ・・・友達は、・・・それよりなんで無視したんだ!!」
「ふふ、友達の意味教えてあげますから
ここではまずいのでこちらへついて来てください。」
我慢なんてするもんじゃないね・・・。
友達の意味を教えるだなんて自分でも笑えてくる。
でも少し憂さ晴らしさせてくれないかな王道きゅん!!
せっかく朝は最高だったのに学校に来た途端
お前のせいで気分が悪くなっちゃったよ~~
ホント最悪
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