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噂の先輩
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室内に入ると人数が足りないと言っていた割りにはざっと見て20人くらいいる
しかも、女子のほうが多い気がする
なんとなく辺りを見渡しているとある一点に目がいった
一人の男に女子が数人群がっているのだ
男の顔は女子に隠れていて見えない
「雪、どうしたの?」
後ろから達哉が俺を呼ぶ
「いや、少しあそこが気になっただけ」
そう答えると、達哉も俺が見ていた方へ視線を向ける
「あー、あの人だよ」
達哉のあの人とはいったい?
「あの人って?」
「噂の鳴海先輩だよ、あれが」
えっ、あの人が?
やっぱり、遊び人ていう噂は本当なんだ
「達哉、そろそろ始めるぞ」
そんなことを思っていると、達哉を呼ぶ声がした
さっき、ビルの前で立っていた人
川田充(カワダミツル)先輩
俺たちと同じ高校出身で、一個上の先輩だ
達哉と部活が一緒だったから顔見知りで、少し会話をしたことがあるくらい
「先輩、鳴海先輩来てくれたんですね」
達哉がそう言うと、川田先輩が俺を見る
「雪ちゃんのおかげだよ。ありがと。あいつ、最近付き合い悪くってさー、遊びもやめたって言ってたから。でも、あいつの条件を飲んで雪ちゃんを連れて来て良かったよ。あいつ、まじで来るんだもん」
川田先輩は満面の笑みを浮かべて言う
「そうなんですか……」
雪ちゃんと言うのをやめてほしい……言えないけど
女の子みたいで嫌なのだ
「雪ちゃんって、あいつとどういう関係なの?」
川田先輩の質問の答えに戸惑う
どういう関係と言われても困る……
「あの、鳴海先輩とは今日初めて会うんです。だから、その……よく分からなくて…」
川田先輩はえっ?という顔になる
「そうなの?俺はてっきり知り合いなのかと思ったよ」
「いえ、今日が初めてです。だから、聞きたいことがあって……」
俺は鳴海先輩と会ったことも、会話したことも無いはず……
なぜ俺のことを知っていて、ここに呼んだのか聞いてみたかった
「そっか。じゃあ、呼んであげるよ」
川田先輩は笑顔で言った
「えっ、でも今お邪魔じゃないですか?」
あの群れを見ると邪魔をしてはいけないと思ってしまう
「大丈夫大丈夫。あいつの顔今すごい不機嫌だから。それに、あいつが呼んだんだ。ゆっくり話すといいよ。それに今日は合コン。あいつに女全員お持ち帰りされたらたまったもんじゃねぇーからな」
そんなことを言いながら、川田先輩の目は獲物を刈る獣のようだ
川田先輩は見た目は少し不良に見えるけど、優しい人だと思った
「ありがとうございます」
「いえいえ」(笑)
川田先輩にお礼を言うと鳴海先輩を呼んでくれた
「朔夜ー!!雪ちゃん来たよ」
すると、群がっていた女子の中から噂の先輩が出てきた
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