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相談
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俺と達哉以外居なくなった講義室
他の学生は食事をしに行ったのだろう
静かな教室に、俺の声だけが響く
告白されたこと、キスされたこと、メールのこと、先輩が本気なこと、昨日あった全てのことを達哉に話した
「……そういうことか」
達哉は話を聞きながら、相槌を打ってくれるので話しやすい
俺の相談を真剣に聞いてくれる
「雪はどうするつもりなんだ?」
「先輩には申し訳ないけど、断ろうと思ってる……もう、恋愛はしたくない……それに、まだ…」
「……あいつのことが好きなのか?」
「……ぅん」
そう、未だに優真とのことが頭から放れなくて、俺に付きまとっている
優真と別れる夢を未だに見るのがその証拠
未練がましいにも程がある……
大切な時間だったからこそ、別れ話がトラウマになっている
好きな気持ちはあるが、幸せな時間に戻りたくはない
幸せが終わるのは一瞬だから
優真から『Ωとは幸せになれない』と最後に言われた一言も恋愛をできないない一つ
Ωは不幸にしかなれない
不幸者が不幸を連れてくる
だからこそ、恋愛に対して臆病になってしまい、辛くて、苦しくて、もう恋愛をしたくないのだ
先輩ごめんなさい……
俺は先輩じゃなくて、他の人に告白されたとしても断ると思う
こんな最低な自分に告白してくれてありがとうございます
どうか、先輩を好きだと言ってくれる人を好きになって、大事にしてあげてください……
「雪、俺は未だにあいつが雪を振ったことを許せないけど、雪の気持ちが一番だから尊重するし、応援もする。先輩への返事を断るのも、雪の自由だし、自身が決めることだ」
達哉はいつも一緒に考えてくれて、応援してくれる
「ありがとう、達哉」
「でも、これだけは言わせてもらう。雪、俺は雪に幸せになって貰いたいんだ。この一年半、雪の笑顔を殆んど見なくなった。あいつのことを考えてることも分かってる。前みたいに心から雪に笑えるようになって欲しいだよ。だから、これは俺の意見だけど、先輩と付き合ってみるのもありだとは思うよ。もし、付き合ってまた、雪を泣かせるようなことがあれば、俺が許さないし!!」
最後の言葉のとき、笑顔で言ってはいたが、達哉なら何をやるか分からないときの顔だ……
でも、真剣に俺のことを考えてくれている達哉に感謝しかなかった
「達哉、本当にありがとう。俺、最高の親友を持ったよ。親友というか、お兄ちゃん?お父さんかな…?」
「お兄ちゃんはいいけど、お父さんはな……」
そう言いながら、達哉は笑った
「お腹空いたし、飯食いに行くか」
「うん、そうだね」
「達哉、相談乗ってくれてありがとう」
もう一度、達哉にお礼を言う
「おう、いつでも頼れ!」
そう言って、笑顔で俺の頭をポンポンと撫でた
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