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昨日の事だ。
アツキが風邪で病欠したので、いつもとは一人足りないメンバーで黙々とカードを回した。
アツキがいないから、盛り上がらなかったと言う訳ではない。
むしろ、アツキはメンバーのなかで一番ノリが悪いタイプなので、失礼な言い方だが、いなくてもテンションに支障はない。
ただ、罰ゲームの固定化によるマンネリ化した雰囲気に、誰もがそろそろトランプ大会も潮時かな?と思っていたのだろう。
証拠に、一番初めに上がったハルトは、「うわぁ。罰ゲーム考えるの、面倒くせぇ!!」と言っていたくらいだ。
罰ゲームを受けることになった俺ですら、「じゃあ、俺は何すればいい?」と涼しい顔をしていた。
肩パンよりは、ジュースの方がマシだな…なんて、考えていたと思う。
しかし、ハルトはすぐに答えなかった。
多分、早く上がりすぎたせいで、考える時間がたくさんあったのだろう。
中々切り出そうとしないハルトに痺れを切らし、その顔を覗くと、ハルトは俺を見るなり、ニヤリと不敵に笑った。
その笑みを見て、すごく嫌な予感がした。
ハルトは、すごく空気を読むのが上手いし、皆が楽しめる提案をよくしていた。
メンバー内で、一番、頭が回る奴だとは感じていた。
勉強こそできないが、おそらくそれはやらないからできないだけだろう。
そして、こんな笑顔の時は、きっと皆を楽しませる“悪知恵”が働いた時だと予想する。
「つーか、不戦勝なんて、ずるくね?」
不敵な笑みのまま、ハルトは場を見渡した。
不戦勝者がアツキの事を指しているとは気づいたが、質問の意図がわからず、俺たちは曖昧に頷いた。
それを満足そうに受け取ると、ハルトが続ける。
「そこで、今回は、不戦勝のアッちと、負けたリオの二人に罰ゲームを受けてもらおうと思う。」
リオとは、もちろん俺のことだ。
アッちはアツキの事。
しかし、不戦勝とは言っても、風邪で休んでいるのだから仕方ないだろう…
とまでは言わなかったが、
「ってか、なんでアツキまで?」
と、やんわり抗議してみるが、ハルトの企みを楽しそうだと予感したのか、ソウヤとシュウマが、「それがいい!」とハルトを支援する。
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