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きっと、普通のカップルみたいにって訳にはいかないから。
近頃は、同性カップルでも『気持ち悪い』とか、『異常』って言われる事は少なくなったかも知れない。
でも、今日、手を繋いで歩いてみても解ったように好奇の目と言うのが怖かった。
見せ物を見るみたいな目に晒されるくらいなら、気味悪いと避けられる時代の方がマシかもなんてのは、言い訳だとはわかっている。
だが、そんな目も気にしない程の強さもなければ、楽しめる程の寛容もない。
じゃあ、諦めるのか?
アツキは今まで、諦める努力をしていた様だが、俺はどうだろう?
「アツキ…」
「ん?」
散々、泣いたせいか、俺は冷静さを取り戻していた。
いや、そのつもりで、まだ、全然冷静じゃなかったのかも知れない。
「…好きって何?」
この期に及んで、また、同じ質問を繰り返す俺に、アツキは深くため息を吐いた。
「お前ねぇ…」
「いや、違う!そのままの意味じゃ、マジでわかんないんだよ!俺、バカだし、こう言う事に疎いし…自分の気持ちも、なんかよくわからなくて…だから、アツキの好きって、なんなのか、教えて欲しい!」
一気に捲し立ててしまった。
これが、俺の今の本当の気持ちだ。
自分の気持ちを知るために、アツキの気持ちを説明して欲しいだなんて、変な話だが、何だって"初めて"は、誰かに教えを乞う物だろう。
「好き…の、意味を説明して欲しいって言われてもな…」
アツキが困った顔で首を傾げた。
「あえて言うなら…性的な意味?」
「はっ!?」
暫く、考えて出た答えがそれかよ!?
呆れつつも、顔が熱くなるのを感じた。
恋愛感情を含んだ「好き」は、詰まる所そう言う事なのかも知れないが、そうなのかも…と思っても、さすがにそこまで頭は回らなかった。
俺の事を、そう言う目で見ていたなんて…えっ!?それって、何?どう言う事?
余計に頭が混乱する。
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