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始まりの朝1
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つわはすsaid
清々しい風は、綺麗な桜が咲き誇る木々を優しく揺らした。
それと同時に、清々しい風は俺の翡翠色の髪を靡かせた。
太陽に負けないほど輝くいかがわしい、どっしりと構えた門の前に俺ことつわはすは立っていた。
どっしり構えた門の前に立て掛けられている看板には【入学式】と書かれている。
そう、今日は我らが誇る「二校大学」の入学式。
この「二校大学」は、魔法を使える者。即ち能力者中心の大学だ。
普通の人が通う普通科もあるが、あまり入る人はいないらしい。
その理由というのが、魔法科に力をいれていることと、魔法科の生徒に全く会えないということ。
校長曰く、魔法科の人と普通科の人とのトラブルを避けるためらしい。
そんな「二校大学」の新入生の俺はもちろんのこと、能力者である。
この常盤色の目が動かぬ証拠だ。
そんな能力者の俺も今日から大学生。
気合いを入れて登校した俺の記念すべき学校生活1日目。
俺は真剣そのものの目をして……いない。
俺の目は真剣から程遠い焦りそのものの目をしていた。
なぜかって?それは……
つわはす「なんで皆スーツなんだよおおおお!!?」
周りにいる人たちは皆スーツで緊張の面持ちをしていた。
その中で1人だけ緑のパーカーを着ている馬鹿がいた。それが、俺だ。
だってさ!大学説明会では「入学式ではどんな服装でもいい」って言ってたし!!
だから「妙に校則の緩い大学だな〜。」と思ってパーカー着てきたんだよ?!
皆がおかしいんだ!!うん!!そうに違いない!!(現実逃避
……脳内で言っててなんか虚しくなってきた。
まあ確かに、説明会で「入学式どんな服装でもOKダヨ☆」とかふざけたこと言ってても、大事な大事な日である事は変わりない。
入学式ではきちんとしなきゃ精神がある以上、普通の人はスーツで入学式に臨むだろう。
……その普通じゃないのが俺なんだけどね。
首を右へ左へ回してみても、見渡す限りの人は皆綺麗な目をしていて、尚かつきちんと整えられたスーツを着ている。
パーカーなんてラフな格好で来ている人なんて、いるわけがなかった。
俺は溜まっていた負の感情を吐き出すように、大きく溜息をついた。
いっそ、このまま帰るか?
服装で目立つより欠席で目立った方が100倍マシだ。
先生にテキトーに「ちょっと緊張しすぎて風邪ひいちゃって…ゴホッゴホッ」とかでも言っとけばいいだろう。
よし、そうしよう。帰ろう。
そう言って自分を納得させ、帰ろうと振り返ったのだが……
P-P「…何してるの?つわはすさん…。」
振り向いた先には俺のよく知る人物が、不審者を見るような目をこちらに向けながら、佇んでいたのだった。
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P-P「へー、それで挙動不審に右住左住してたってわけね!なるほどなるほど!( ・´ヮ・` )」
つわはす「……挙動不審とか言うなよ…」
先ほど会ったのは俺の親友のP-P。
コミュ力もあって、優しい奴…なんだけど、ウザイ、物凄くウザイ。
そんなP-Pに俺はさっきあった出来事を説明した。
そしたらこの反応だ。
……近くにおしぼり屋ってあったっけ?
いや、普通に考えてないか…。
俺は頭の中でどうやって成敗するかを考えていた時、P-Pはとんでもないことを言った。
P-P「まあ、とりあえず、入学式会場行こっか!つわはすさん!」
つわはす「そうだよな…ってえ?」
「とりま、ご飯でも食いに行こうぜ!」的なノリで言ってきたぴーちゃん。
そうそう、そうだね、今からご飯に行くの…じゃなくって!
この何も解決していない流れで俺に入学式に出ろと言いたいのですか?このクソメガネ。
なぁにが、とりあえずだ!こんな格好で入学式なんか出たら恥ずかしくて爆死するわ!
その時はぴーちゃんも巻き込むけど!
そんくらい分かれや!この馬鹿が!
俺の脳内が愚痴のオンパレードになった時、P-Pは焦ったように口を開いた。
P-P「そんなに、怖い顔で睨まないでよ!だ、大丈夫だって!」
つわはす「……何が大丈夫だって?このクソメガネ。」
P-P「ちょ!いきなり悪口?!」
P-Pはそんな悪口まで言わなくていいじゃんとか、これでも気を使ってるんだとかブツブツ言いながら俺の手を少し力を入れながら門の方に引っ張ってくる。
まだ俺を連れていくつもりなのかと睨みをきかせると、少し前にしたやり取りが繰り返される。
そうしてP-Pと言い争いをしていると、俺らより少し背の高い人が近寄ってきた。
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