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ノスタルジア ⑤
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高校を卒業して、ニートになっても、俺達の関係はそのままだった。
クズでゴミで、臆病な俺は十四松の気持ちに答える事が出来なかった。
気付いていないフリをし続けた。
十四松が俺の傍から居なくなるなんて、考えもしなかった。
あいつの『好き』を沢山貰ったのに、俺は一度も返していないくせに。
十四松があの娘に恋をした時、全ては終わっていたんだと思う。
だけど、俺だけが諦められなかった。
十四松が居なくなって、俺の心はポッカリと穴が空いてしまった様だ。
苦しいよ。俺を置いていかないで。
気付けば、俺はボロボロと泣いていた。
宝箱の一番下に、『一松へ』と書かれた手紙を見つけた。
直接渡された理由ではない手紙を見る事に、少し罪悪感を感じたが、それを開いた。
ボクは
一松が 好き。
大好きでした。
過去形の告白に、涙が止まらない。
俺も、ずっと好きだったよ。
十四松はきっと、この思いを宝箱に入れて、ここに置いて行ったんだろう。
「あ…ああ、十四松…じゅうしまつぅ…じゅ…し…まつ…」
俺は、虚ろな心に刻む様に愛しい人の名前を呼んだ。
ごめんね。今だけ。これで、最後にするから。
俺は、手紙を抱きしめて泣き続けた。
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