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しかしその攻防戦は虚しくも椿の負けとして終結を迎える。
下半身が完全に露出してしまった椿はなんとか隠そうと尻の方に手を伸ばした。
「お、前だったら女とかいるじゃん……っ」
「そんなこと言ったらお前だって発情期の時俺じゃなくてもいいだろ」
「そ、れは……っそれとこれは違う……!」
確かに頼ったけど頼ったけど!
でも裕人だってそんな嫌がってなかったじゃん。
和姦じゃん!!
これは強姦!
「違わねぇ」
「ちょっと裕人、怖い、怖いって……指、ばか、ばかぁ……っ」
椿が最後の抵抗にと置いていた手も虚しく、その手はあっさりと裕人によって退けられてしまう。
終いにはその窄まりに指が突き立てられた。
「椿、濡れてる」
「違う……っ」
「濡れてるってほら」
裕人の指がどんどんと椿の中に入っていく。
違うと思いたくても、最初は入りづらそうだった指がだんだんとスムーズに動き出すのを感じて、椿もそれを感じざるを得ない。
「気持ちよくなってきたろ?」
「ない……」
「嘘だな。ここすげー締め付けてるもん」
指が不意に抜ける寸前まで引き抜かれる。
その瞬間椿の後孔は自身でも認識するほどにその指を締め付けた。
「うっるせぇ……っ」
「このまま放置でもいいわけ?ここまでして?」
「お前のせいだろ……っ」
「俺のせいだけじゃない」
「何、言ってんだよ……っ」
意識が徐々に混濁していくのを感じた椿は、フローリングに顔を埋めると眉を寄せた。
にちゅ、と卑猥な音を立て始めるのは明らかに自分のそこ。
萎んでいたそこも徐々に硬度を持ち始める。
俺、流されやすすぎ……。
快感に弱すぎる体にほんの少しの嫌悪感を感じながらも徐々にきもちいいからいいか、なんて思ってしまう。
裕人、だし。
裕人だから、ノーカン。
何がノーカンなんだ。
もー、わかんない。
「ここ気持ちいいよな?」
「あっ、あぁ……っだめ、そこ」
「あーあーすっげぇ締め付けて。なぁ、ちんこ欲しいだろ?」
「い、いらないぃ……っ」
明らかに大きくなった水音とともに確実に刺激される気持ちいい場所。
椿は体を震わせながら、ほんの少しだけ残っている理性でなけなしの抵抗の言葉を零す。
「いらねぇの?ほら」
ぬぷ、つぷ、と指先が出し入れされる。
弱い電気のような快感が椿の体を駆け巡る。
じれったい。
たりない。
もっと……っはやく……っ。
「意地悪すんなよぉ……っ」
「ほら、言え」
「ゴム……付けろよ……」
「違う」
「もっ、はやく挿れろ!!」
どうにでもなれ。
言ってしまった。
裕人が椿の後ろでニヒルに笑う。
「初めからそう言っときゃいいんだよ。」
充血した窄まりを引くつかせる椿の後ろで、部屋の主よりも勝手知ったる男は避妊具の在り処を簡単に探し当てる。
「もう、嫌だぁ」
「何が」
「お前とこうやって流されてヤっちゃうことがだよぉ……俺、土井さ、んがいっぁ、あぁ……っ」
椿の話も半分に狙いを定めた裕人はそのまま腰を推し進める。
カリっと心許ない音がフローリングと椿の爪の間で音を発した。
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