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第1章 17
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「うっわぁい!」
「おい、あんまりはしゃぐなよ」
「分かってまぁーす!」
薄暗い照明に、大きな水槽のスクリーンが浮かぶ
数回しか見たこと無い、この風景
そのうちの一回が色があった
蒼色がキラキラと光って、その中を魚が優雅に泳いでいく光景
思い浮かべ、重ねてみる
勿論、そーやっても目の前はモノクロ
「……あ!ねね!トア!あの魚何色?」
「青」
「アレは?」「オレンジ」「アレっ!」「白と黒」「コレは?」「青に銀色」
「いやーカラフルだね!」
「…そうだな」
まるで興味のなさそうなトア
白けた目で見れば、コッチを睨まれる
ニコニコと笑ってやる
更にトアの顔は渋くなる
「よし!見た!次っ」
「は?ちょ、待てよ…」
「あ!ペンギン!可愛い!」
「ぺ、ペンギ…」
「あ!あっち!」
「あ、ちょ、服…っ!」
「イルカいるよ!ねえねえ!」
「服引っ張るな…って、うわっ!?」
「うわっ!何この魚!大きい!」
「ふ、く……」
次の水槽には何があるんだろう
彼方には何が居るんだろう
ふと目に入る子供の陰
隣にはお母さんと、お父さん
俺にも居たんだ
俺にもあの、あの光景が、ちゃんと、
「…?おい、ツバ……キ」
「…あ、え?あ、あぁ、え?」
「何泣いてんだよ、どうした」
「泣いてる?嘘だぁ…、…あ、あれ?」
「…。……ったく、ほら!」
「うわぁっ!?服!引っ張んないで!」
「イルカショーはじまんだよ!」
「え、何楽しみだったの?クスクス」
「…お前なぁ……!」
吹っ飛ばされる
何だろう、やっぱりトアは優しい
いや、ツンデレ?
「ふっふー!見に行く?行っちゃう??」
「行かねぇ!」
「嘘つけぇ!」
「だから服引っ張んな!」
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