アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
第1章 19
-
「ねえねえ!これどう?」
「…あー……色が…」
「………。…じゃあコッチ」
「…うん、良いと思うけど」
「本当!?」
鏡を見て、はしゃぐツバキ
洋服を買った後は必ずファッションショーが始まる
まぁ、タグを外したりするついでで
「ねね!どぅ?ふっふー」
「…おう」
「……もー反応してよねっ!」
〈ピリリリ…〉
「ん?あれ、トアのケータイ鳴ってるよ」
「何だよ……。…知らない番号だけど」
「え?」
「其れにこれお前のだろ」
「え!?」
最近俺がスマホを買え変えたら
色がツバキと被る
何も考えなかったのが悪かったんだが
「もしもし!あ!うん!……えー?」
「…ったく」
買ったばかりの服を纏める
丁寧に畳んで、上着やら何やらと分けて
その中でも色で分けていく
「うんー……え?いや、何言ってるの」
「……」
「いや、だから、……ちょ、っと待ってね」
「何だよ」
「いやさ、うん、何か今から無理かーって」
「好きにしろよ」
「ふーん。……あ、うん、今日さー俺休みで…
うん、ちょっと休みたいなぁと」
無駄に長い電話だな今日は
纏めた服を、閉まっていく
上着類はシワにならないようにハンガーに吊るす
あとはぐちゃぐちゃにされた服をたたみ直す
「え、……あ、え?あ、……いや、それは…」
「………」
「あ、うん、わ、分かったよ!」
今まで来てた服を捨てて、違う、何時もの服に着替えるツバキ
慌てて出て行き、扉の閉まる音が響く
何となく、窓から外を覗く
ツバキの隣に、知らない男が数人
家まで知ってんのかよ
「……ったく、何してんだか」
何やら話し込んでる
まぁ人数からして、ツバキが何やら言い負かされてるんだろうが
その時
ツバキの腕を、誰かが引っ張る
其れを嫌がるツバキ
そうすれば周りの数人が無理矢理引き摺る
ツバキがその腕を振りほどく
1人が怒り、手を振るう
そうなれば、次から次へと連鎖するのは簡単だ
ツバキは、ケンカも何も強くない
ただ、されるがままに
「おい、良い加減にしろよ」
「や、ヤダよ!俺…っ」
「この…っ!」
「…何してんだよ」
「は?お前何だよ」
「此奴の恋人。仮の」
「や、…ちょ、トア、来ないでよ!」
「お前は黙ってろ。おい、お前手、出したよな」
有無を言わさずその頬を殴ってやる
他の奴も、殴って、蹴り上げる
殴られれば、その分やり返してやる
「ちょ、トアっ!やめて!」
「ツバキは黙ってろ!」
「…ーーーっ」
1人を掴み上げて、その顔を思いっきり睨んでやる
「おい、次何かしてみろよ、その時はお前のその目をくり抜いてやるからな」
「ひ…っ、わ、分かった!分かったから!」
逃げ出す其奴
其れを追うように後の奴も消えていった
「…ツバキ」
「……はいはい、ありがとうねー」
「……家入れ。ケガも見せろよ」
「分かってまーす」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
20 / 181