アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
第3章 19
-
「…ね、トア、聞いておくけどクリスマスは休みだよね?」
「…あぁ」
「じゃあさ、ケーキ買って家でぬくぬくしながら俺とイイことしよーよ」
「しねぇよ」
何考えてんだ
閉店後、グラスを丁寧に磨く俺の前で優雅に最後の客がカクテルを飲む
顔を腕の中に埋めて、俺を見上げるツバキ
最近ヤケにそんな事を言う
外に行くのも増えた
帰りも、遅くて
「…どうした」
「へ?何がー?」
「最近、…回数多いから」
「ん?あ、成る程?そうかな?気の所為だよ」
「……そう、か」
…別に気にはしてない
ただ変な事に巻き込まれて欲しくなくて
「ご馳走様」と、空いたグラスを受け取る
洗って、布で磨く
席を立つツバキ
「………なぁ、今日は?」
「ん?今日は…如何しようかな、気分的にはどっちでもいいんだけど」
「…居ろよ」
「んー?なぁに?」
「………今日は家に居ろ」
驚いたように目を大きくさせて、不思議そうに首を傾けるツバキ
俺自身でも、何でそんなこと言ったかわからない
言った後から後悔して
ツバキの顔を見る
何故か知らないけど、耳が赤い
「え、と、トア?い、今家に…」
「…うるさい」
「………あ、う、うん、居るよ。俺今日は家にいるよ」
嬉しそうに笑うツバキの笑顔は
何時もの笑顔より優しかった
何でか、心が浮いて
不安定で
「…………ほら、帰るぞ」
「うんっ」
…昔同じような事があった気もする
でも、何時かの放課後、捨ててしまった
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
61 / 181