アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
第3章 22
-
「…やっぱ可笑しい?」
「……………いや、そんな事、は」
真っ白になった頭の中
言葉を返すのに必死になった
「………ま、告白まで行かなくたって良いんだけどさ、可笑しくないか心配で」
「……あぁ」
「……どうかな、俺」
心配そうな目
でも幸せそうな表情
其れになんて返せば良い
俺はその想いを壊すしか出来ねぇよ
顔には出さない様
絶対に、変な事を、しない様に
「………良いと、思うけど」
ハオトの想いを壊したくなんかなくて
俺自身の想いを壊す
声が震えてた気がする
いや、大丈夫、バレてないはずだ
「…そっか。…良かった、可笑しくないだけで、今は良いんだ」
「……」
「その内勇気が持てたら、何て、その時には俺らも大人になってるのか」
「ごめんな、こんなのに付き合わせて」
立ち上がるハオトに遅れて、ぼうっとしながらも立ち上がる
無駄に、ハオトの笑顔が突き刺さる
それでも普通を装って
別れ道で分かれる
ハオトは重荷でも取れたのか、足取りが軽かった
………
普通に考えたら、ハオトの方がずっと良い
人間性も何もかも、俺よりずっと優ってる
「…………………………何、考えてたんだ、俺」
ツバキが好き、多分
そんな曖昧な想いは本気の想いに打ち消されて終わるだけだ
きっと、この先も
俺は曖昧な想い方しかできない気がする
ツバキが好きと気づけただけでも良い方だ
捨ててしまおう
「……何もかも」
愛する事が、俺には分からない
分からないから、悲しむ前に捨てよう
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
64 / 181