アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
第4章 4
-
「偶然だね、会うなんて」
「…そうですね」
機嫌が良いのもさっきまで
たまたま叶恵さんに会う
どうせ無視されるかなって思ったら今日はなぜか声をかけられて
なんだろ、遂に真正面から俺に悪口を言うかな?
「ねぇ、ツバキくんってトアくんと住んでるんだよね」
「…まぁ」
「何で?」
「どうしてあんたに言わないといけないの?」
って、言いたかったけど我慢する
「……友人って事で、シェアハウスですよ」
「へぇ、仲が良いんだね」
「…そうですね、高校からの友人なんで」
「…そう。ねぇ、クリスマスってどうするの?」
…成る程?
あんたの狙いはそれか
ってか、何でこんな人に
………いやいや
必死になる必要俺無いじゃん
良く考えろっ
俺は、トアの友人だよ
「…家で2人で」
「ねぇ、ツバキくん、私トアが好きなの」
「へぇ、そうなんですか」
「うん、だからクリスマス誘おうって思ってるんだよね」
「そうなんですか、それで?」
「ツバキくん、悪いけど邪魔なんだ」
うわぁストレート
酷いなぁ、俺だって楽しみだったのに
今年は一緒にケーキ食べよって
まぁ毎年やってたけど
…プレゼント
…ま、俺友人だし
「案外酷いこと言うんですね」
「でもトアくんとは友達でしょ?私は好きなんだから譲ってくれても良いんじゃ無い?」
「へぇ…」
「…それに君男だしさ、流石にとは思うけど、君がトアくん好きだったとしても、あり得ないでしょ」
「あり得ない」
…女じゃ無いから?
まぁ、聞いてやれば良い気になって
「………そうですね」
あんたに何がわかるんだよ
笑顔が引きつって
でも俺はその言葉に普通に傷ついて
「…分かりましたよ、なるべくそうします」
「わぁ、ありがとう!優しいんだねツバキくんって」
「…でもトアが何て言っても、俺は関係無いですから」
「大丈夫だよ、トアくんととは友達でしょ?トアくんはきっと君が断れば素直に受け入れてくれるよ」
「…随分と自信家で」
「それじゃあ、ばいばい、トアくんによろしくね」
大っ嫌いなその女の後ろ姿
だけど言ってる言葉は全部正しい
買ったばっかりのストラップを、優しく撫でる
…ごめんね
君は、もう貰い手が居ないよ
でも、俺が責任持って付けるからさ
……許してよ
「……許して、トア」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
71 / 181